飲みたいものとオススメ、一致しましたか?

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以前コネタで、顔を見てオススメ飲料を示してくれる自販機。そのメカニズムは?に関する記事があった。

メカニズムについては、「セグメントセンサ」で顔画像のデータを読み取り、「性別」「年代」「時間帯」「気温」の四要素を参考にしてオススメが示されると言う。
ところで、先日、妙なことが起こった。

自分と夫、中学生の娘の3人で、それぞれ自販機の前に立ってみると、夫のときには「水、ゆず、お茶」などが示され、娘には「お茶、水、紅茶、ゆず、コーヒー」が示されたにもかかわらず、自分にオススメされたのは「和梨」1種だけ。

顔画像がうまく読み取れなかったのかと思い、2度、3度と自販機の前に立ってみたが、何度やってもオススメは「和梨」のみである。ここまでオススメを絞り込まれると、どうも面白くない。だから、今度はメガネを外して自販機の前に立ってみた。すると、なぜかオススメが急に増えたのだ。

ラインナップは「水、お茶、紅茶、和梨」など、とりあえず無難なところだけど、これってどういうこと? コンタクト使用者など、メガネを嫌う人の中には「メガネをかけると老けて見られるからイヤ」と言う人がときどきいるが、もしかしてメガネをかけているほうが顔認識で老けて見られるということか。

でも、それなら、それなりのシブいオススメ飲料もいろいろあるだろうに。それとも、「メガネをかけているアラフォーぐらいの女」枠では、「和」が好きだとか、「こうるさそう」「ドリンクのストライクゾーンが狭そう」とか、あるのだろうか。だとしたら、ちょっと心外だ。さらに、たとえばニット帽をかぶっていたり、キャップをかぶっていたりすると、また別の結果が出るのだろうか。

JR東日本ウォータービジネスに聞いてみた。

「顔でオススメする自販機は、顔認証で『属性』を認識しています。詳細はセンサーのメーカーさんでないとわからないところですが、『メガネをかけている』などと設定しているわけではなく、基本的に年代や性別などは、目の離れ具合などを識別し、判別しています」

それってつまり、メガネをかけていることで、年代が判別しづらくなるということ?
「メガネをかけていると、どうしてもセンサーが正確な判断をできないということです。帽子をかぶっているときなども同様で、センサーが何を出して良いか迷ったり、おすすめできなかったり、そういうことがあるようです」
メガネをかけているときに1種しかオススメが出なかったのは、性別・年代を分析するためのデータ取得を「メガネ」がジャマしてしまっていたということのよう。

「また、顔認識は一人の方に対するものですので、自販機前に何人かいる場合にも、センサーが正確に判断できなかったり、いちばん近くの方に反応したりということがあります」
無意識のうちに、友達や家族が一緒にセンサーにうつりこんでしまい、オススメがひとつも出ないなどということもあるらしい。

とりあえずメガネによって「性別不明」「年齢不詳」に見えたわけでも、「こうるさそうな人」に見えたわけでもないようで、一安心。

でも、真相がわかってみると、自販機前に何度も立ってみたり、メガネをかけたり外したりしてみる自分の様子が、まるで原始人のように傍から見えていたのではないかと、俄かに不安になってきました。
(田幸和歌子)