PCモニター上でマンガを読んでいて目が疲れませんか。写真はマンガコンテンツなどを読みやすくし、疲れを軽減する特徴を持つPCタッチモニター「FlexScan T2381W」

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最近PCやスマホ、タブレットでマンガを読んでいる人を見かけるようになった。マンガコンテンツのデジタル化が進んでいるわけで、いつでもマンガを手軽に読めるようになったことは好ましいことだと思うが、紙に比べていまひとつ読みづらかったり、目が疲れたりという経験はないだろうか。もしかして、液晶モニターの特性上、そのようになりやすいのかも。そこで、今回はマンガコンテンツの特性とPCモニターとの関係について考えてみたい。

まず、絵と活字が混在するマンガコンテンツの映像的特性は何か。液晶モニターメーカーのEIZOに聞いてみた。
「小説などの活字デジタルコンテンツと異なり、マンガの場合はセリフもすべて画像として扱われます。フォントデータであればモニターの精細度に合わせて自動的に最適なフォントで表示されますが、漫画では元データの精細度に依存しますので、表示解像度と同等かそれ以上の精細度でないとぼやけた表示になってしまいます」
セリフの部分って画像になっていたのかぁ。知らなかったです。

「また、一般的にモノクロ2階調印刷の解像度は1200dpi相当あるいは1800dpi相当と言われ、PCモニターの100dpi前後と比べると圧倒的にきめ細かいわけです。もちろんデジタルコンテンツに落とし込む際に縮小・グレースケール変換(256階調表示)されるので、ある程度PCモニターでも見やすいものになりますが、残念ながら印刷物のようにはきれいに見えないのが現状です」

まだまだ印刷物のほうがキレイで読みやすいということか。では、マンガを読む上で従来モニターの各種設定の調整である程度まで見やすく、疲れにくくなるものなのか。
「モニターと紙との見え方の違いが、見にくさ、疲れやすさを生むと考えられるので、それをできる限り近づけることで見やすく、疲れにくくなります」とのこと。具体的には以下のように設定する。
○輝度:その照明下で見る紙と同レベルの輝度に落とす
○色温度:昼光色の照明下なら6500K、昼白色の照明下なら5000Kにする

なお、EIZOの液晶モニターには「Paperモード」というカラーモード設定があり、モニター前面にあるボタンを押すことで簡単にこのモードに切り替えられ、紙の見え方に近づけることができる。

ところで、モノクロのマンガが現状ほとんどだが、カラーマンガでは目に与える負担やモニター設定は異なるのか。
「カラー印刷の解像度は350dpi相当と言われているので、モノクロ印刷よりはPCモニターとの解像度ギャップが少なく、PCモニターで見た際の違和感も少ないように思えます。また、モニターの方が印刷物よりも色が濃いため、やはり輝度は紙と同等レベルまで落とすのが良いです」

結論として、マンガコンテンツに適したPCモニターの特徴は、
・紙に近い見え方にできる
・ノングレア
・画面を適切な位置に変更できる
・チラツキが少ない
・見開き表示の際に余白が少ない
といったことだそうである。ちなみに、同社製品でいうと、「FlexScan EV2336W-Z」「FlexScan EV2436W-Z」「FlexScan T2381W」などが該当する。

マンガを含め紙からデジタルへの移行が進むにつれ、モニターの設定、機能選びがますます重要になってきているということだろう。とにかく、マンガに熱中しすぎて目にあまり負担をかけないよう注意しよう。
(羽石竜示)