歩き方は「膝を伸ばして、踵から着地」がコツだ。

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「休みを上手く作れる人は、仕事ができる人」と、聞いたことがある。確かに。メリハリが効いているというか、効率良く仕事をこなせているというか。
そういや自分、ここ一年以上は休みを取った記憶がないんです。ということは、仕事ができな……。

休みがないと、どうなっていくと思います? どんどん、乱れていくのです。食生活は偏るわ、睡眠時間は不規則になるわ、運動不足に陥るわ。
しかし忙しいなりに、何か策を講じたい。特に気になるのは、「運動不足」について。こちとら、体(健康)を最も気にしなければいけない年代に突入しているもんで……。

そこで、行ってきました。10月1日、ミズノはマスコミを対象にした「忙しい人のためのウォーキング講座」を開講! 日常生活の中で無理なく効率良く体を動かす方法を、紹介してくれるというのです。

ところで皆さんも、そんなに運動する時間がないんでしょうか? そこら辺、同社が40〜50代の社会人男性を対象に意識調査してくれているみたいです。
まず第一の設問は「あなたは、現在の健康状態に自信がありますか?」。結果、「自信がある」が41.8%で、「自信がない」が58.2%。
続いては「あなたは、健康のために体を動かしていますか?」という問いが。ここでは51.0%と半数以上の人が「特に何もしていない」と回答している。
では、そんな自分をどう思っている? 「あなたは、現状のご自身の運動量に満足していますか」と尋ねると、73.5%の人が不満足な模様(「満足していない」28.1%、「どちらかといえば満足していない」45.4%)。しかも「健康状態に自信がない」回答者に限ると、現状に不満足な人は84.7%に跳ね上がる。
これらの情報によって、色々なことが伺えます。現状はなかなか体を動かすことができず、そのために自分の健康状態には自信が持てない。……が「何かしなくては」という自覚は、多くの人が抱えている。

ただ、体を動かす方法自体は様々。はっきり言えば、通勤や移動中だって可能かもしれない。そこで、この設問。「あなたは働いている間、体を動かしていますか?」。
結果、「歩く際は早歩きを心がけている」(36.8%)や「エスカレーターやエレベーターを使わず階段を使う」という回答が見られたものの、4割近くの人が「何もしていない」(37.0%)と告白。「今後、働いている間も体を動かしたいと思いますか?」という問いにも、4割近くの人が「いいえ」(38.3%)と答えている。理由としては「スーツで汗をかくのが嫌」(30.5%)、「革靴で長く歩きたくない」(20.3%)という物理的な問題や、「時間がない」(30.5%)、「体力がない」(27.1%)、「体を動かすのが好きではない」(30.5%)という単純明快な声が寄せられた。

そうした状況を受け、ミズノでは日常生活でコソッとできるトレーニング「コソトレ」を啓蒙していくとのこと。特に注目されるは、ウォーキングだ。理由としては「今すぐできる」、「着替えをしなくてもよい」、「施術に行かなくてもいい」が挙げられる。その場で始められる身近なトレーニングが、ウォーキングなのだ。
しかし、細かな注意点もある。まずウォーキングシューズのサイズがピッタリ合っていないと効果も半減。かかとが収まり、指先が動いてグーパーできるサイズ。これを選ばないと、膝、足首、腰に負荷がかかってしまう。結果、長時間のウォーキングは困難に……。
「運動は『いっぱいやればいい』というものではなく、『継続する』ことが最も健康に繋がります。そういう意味で、フィッティングをしっかりさせるのがポイントですね」(ミズノ担当者)

もう一つ、年齢の問題もある。
「人間はそもそも“歩く”動物なので、歩くことで筋肉を維持しています。ただ40歳以降、加齢をしていくと人間の筋肉はより一層減っていきます」(ミズノ担当者)
ウォーキングの重要性、心の底から理解しました……!

では、どんな歩き方が好ましいかというと……。
「歩幅が伸びると足全体の筋肉を使うことになり、体は非常に安定します。歩幅を取ると腕を振りますし、腕が動くと全身運動になる。全身の筋肉を使うことで酸素の摂取量が増えて肺活量が増し、血の流れが大きく変わります」(ミズノ担当者)
心臓から流れる血が歩くことで足先まで送り出され、老廃物を取るそうだ。
「ただ歩いているだけでは、血は足先まで届きません。女性で冷え性だったり足が冷える方がそうですね。指を動かさないといけないんです」(ミズノ担当者)
そうすることで、ようやく毛細血管まで血が回る。毛細血管の中の老廃物や二酸化炭素を引っ張り、歩いてまた戻してくれるそうだ。要するに、靴の中で指が動いていないと不十分ということになる。

さて、ではここから実践編に突入。まずは、参加者の靴のサイズをしっかりと測定です。
「靴に限ると『大は小を兼ねない』と言われています。大きい靴を選ぶと、靴の中で足が無駄な動きをしてしまうのです」(ミズノ担当者)
ちなみに皆さん、キチンと自分の足のサイズって測ったことがありますか? 少なくとも大人になってから、その経験は私にはないです。そこでこの日、ミズノは足の測定器を用意! 靴を脱いで機器に乗っかると、パソコンには足型がバッチリ映し出されました。こうして「サイズ」と「足圧」(足の接地具合でバランスを見る)を確認できるわけか。そのサイズにしても、「長さ」という観点もあれば「幅」だってある。そこまで細かに調べたこと、やっぱりなかったですね……。
「測定器で測ると、だいたい6〜7割くらいの方が正しいサイズを認識していないです。例えば本当は22センチの足なのに、24センチの靴を履いていたり」(ミズノ担当者)
また足圧については、「浮き指」の人が多いそう。まっすぐ立った時、足の指が地面についていない人たちのことだ。これは、指が使えていないという証拠。このままだと、歩行時には余分な力がかかってしまう。

もう一つ重要なのは、紐の結び方。せっかくサイズが合っていたとしても紐の締め方が緩いと、筋肉が変に動いてしまうという。
「『足に靴がくっ付いている』という感覚なら靴を軽く感じ、姿勢をしっかり整えられます」(ミズノ担当者)
靴を脱ぎ履きする際、紐を緩めたり締め直したりするくらい“ギュッ”とさせるのがベストだそう。というのも、靴は万人に合わせて作られているわけではない。だからこそ、紐の結びで自分の足に合うように調整、フィット感を増す必要があるわけだ。
「子どもをおんぶする時、寝ている子より起きている子をおんぶする方が軽く感じますよね。起きてる子は、しがみついてくれます。それは、靴に関しても同様です。紐をビシっと締めてあげたら、靴の重みも違っていきます」(ミズノ担当者)

では、いよいよ歩き方についてレッスン! 今回は“忙しい人”をイメージし、注意点を解説してもらった。仕事でパソコンに向かっていると、どうしても前かがみになってしまうでしょう? というか、人間は疲れていると前傾姿勢になってしまうらしい。そうすると、自ずと足は前に出にくくなる。さて、どうしたらいいんだろう……。
「『膝を伸ばして、踵から着地』を体に染み込ませてください」(ミズノ担当者)
まず初めは歩幅について意識せず、この歩行法を心がけるといい。加えて気を付けたいのは、腕の振り。前に真っ直ぐ振り出し、後ろ側にキチンと引くことを心がける。すると、前方への推進力は増加します。その際、肩を起点にしていることも気にかけてあげる。また両腕のバランスの問題で、ショルダーバックよりザックなど両手の自由を効かせられる物の方が好ましいそうだ。

以上のポイントを注意し、今度はウォーキングマシンに挑戦します!
「スピードアップする場合、腕の振りをコンパクトにしてください。また卵が割れないくらい軽く手を握ると、早歩きに役立ちます」(ミズノ担当者)
数々のアドバイスを受け参加者も歩行してみたのだが、これがなかなか難しい。息が上がってしまったり、速さについていけずマシンから落ちてしまったり。
「『接地は踵から』を気にすると、ロボットみたいな歩き方になりがちです。最初は自分のできる歩幅で、軽く膝を伸ばし、踵から入っていく。慣れてきたら、腕を意識して振ってください。歩幅が広がっていきますんで」(ミズノ担当者)
いや、慣れてない今は確かに大変。しかし、体に染み込ませてしまえばコッチのものだ。

「お仕事中にできるのがウォーキングですから、ぜひ皆さんやっていただきたいと思います」(ミズノ担当者)

(寺西ジャジューカ)