個性的な外観の「北上重雷装グリーンカレー」(左)と入り口に設置された同店の看板娘的存在の給糧艦「間宮」(右)

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「アキバ通いがやっと板についたかなぁ」と思っている今日このごろ。東京・秋葉原界隈も肌寒くなってきたので風邪をひかないようにちょっと厚着をしながらブラブラ歩いていると、萌えグッズが各階に密集しているおなじみのビル「AKIBAカルチャーズZONE」の5Fに何やら熱いものを感じた。それは、今異常人気となっている「艦これ」、それのテーマカフェ「艦これ×グッ鉄(グッドスマイル&カラオケの鉄人) 甘味処 間宮(まみや)」が10月17日〜12月15日まで営業しているというのだ。これは是非行ってみなければ!

11:00〜21:00までの営業となっており、平日の月曜日12時前に受付に行ってみると、「整理券をお持ちでない方は入店できません」と言われてしまった。「本日の分の整理券はすべてなくなりました」と。わずか一時間足らずで整理券終了とは。そんなに大人気なのか〜。呆然としながら庶民の昼時の憩いの場、秋葉原UDXビルの屋外にある板張りのベンチの上でアジフライ弁当を食べながら思案した結果、「ここは記者の特権を使おう」とお店に後日正式に取材を申し込むことにした。

台風一過の秋晴れの日、「甘味処 間宮」を改めて訪れた。入り口には看板娘的存在の給糧艦「間宮」が待ち構えていた。割烹着姿でアイスクリームを差し出す姿がまさに同テーマカフェにピッタリのキャラである。店内は当然ながら「艦これ」ほぼ一色であり、フロアの両サイドのガラス張りの棚にはズラリとリアル軍艦模型と艦娘たち(金剛ちゃんの抱きまくらまで!)が並んでおり、天井には彼女たちが攻撃を受けて大破したときのちょっとセクシーな姿のイラストも飾られていた。

メニューは、フード、ドリンク、スウィーツに分れ、それぞれに「おまけ」がある。たとえば、「北上重雷装グリーンカレー」を注文するとキャラが描かれたランチョンマットが、天龍をテーマにしたドリンクにはコースターが付属するのだ。すべてのメニューを味わってみると、みな個性的な外観で、味もなかなか良い。とくに気に入ったのがグリーンカレー、大和パフェ、そして天龍ドリンクだった。中でも、グリーンカレーは一番個性的な外観といっていい、魚雷と砲塔をエビフライと揚げパスタで模しているのがユニーク。エビフライを乗っけたご飯がカレーの中に浸かっている姿はまさに軍艦のようではないか!

大和パフェはカワイイ姿をしたスウィーツで、シンボルのオレンジ色の傘とチョコバーのアンテナが飾られており、頭部のバニラアイスの下にはストロベリーアイスが隠れている。甘いものは正直あまり得意ではなかったが、食べていて楽しかったせいか、ほとんど平らげてしまった。そしてこれにも大和のランチョンマットが。外見の可愛さからか、やはり人気メニューとなっているそうだ。

意外だったのは、「艦これ」のファンは男性ばかりだから、お客さんも男性だけと思っていたが、女性もかなり入っていたこと。甘いものとカワイイものが好きな女性たちが、艦娘たちとスウィーツに惹かれて入店してくるようだ。「艦これ」って裾野が広いのだなぁ。

さらに、一品注文するごとにメダルをもらえ、それをメダル専用機に入れてハンドルを回すと、カプセルに入った缶マグネットをゲットできる。どの艦娘が出てくるかわからないので、お気に入りのキャラだったらラッキーということになる。このサービスは大変好評で、専用機内のカプセルが一時間くらいで補給しなければならなくなるほどだ。

遅ればせながら、店のシステムを説明すると、1時間、1オーダー制で、ただし20時以降はドリンクのみのオーダー。テーブルチャージ料はなく、注文した分だけの支払い。問題は整理券を手に入れることだ。中には始発電車に乗ってきて、整理券を求めて並んでいるといったお客さんもいるほど。オープンからずっと整理券による入店システムが続いている。早い順の整理券をもらえると11時から入れるのだが、遅い順だと夕方以降になってしまうという。

この過熱気味の人気はいつまで続くのか分からないが、「艦これ」を堪能するのは現状ではとにかく一苦労だ。今のところ予定の12月15日で終了ということだが、この人気の状態だと延長の可能性もあるかも。11月12日から第二弾メニューが登場することもあり、リピーター客も来店するだろうし、今後もスムーズに入店するのは難しそうである。

そこに「艦これ」がある限り、挑み続ける者たちが絶えることはないだろう。
(羽石竜示)