──組み技は練習しただけ、成果が見込めるような気がします。ただ、打撃に関しては才能が左右する。その点で兄アンソニーと同じように、セルジオには天から打撃の才能を授かっています。

「ずっと打撃が好きだったからね。なんだろう、打撃を使うっていうことは僕にとっては、ごくごく自然なことで、体を動かせば、打撃になっていたということを考えれば、他の人と比較しても、ストライキングに関してアドバンテージを持っているんだと思う」

――ディラード・ペッグを下し、RFAフライ級王座を獲得したときのライトクロスは、完璧なタイミングでした。あれは狙っていた一発なのですか。

「KOしたかったからね。そして、ディラードが大きな右フックを振っていたんで、カウンターを狙っていたんだ。頭を振ってドンピシャのタイミングでKOできた。打撃でエキサイティングなファイトはしたいし、ファンにも喜んでもらいたい。ただ、去年の11月のRFAで戦ったジミー・ジョーンズ戦のような試合はしたくない。彼は背も高く、凄く強いファイターだけど、ダウンを喫するようなパンチは受けないように戦っていきたい。

まだ経験を積んでいる最中だし、ダメージを蓄積したくないんだ。スマートに戦いたいと思っている。足を使って、的確なパンチを入れることでファンにも喜んでもらえるだろうけど、時にはそうならないことも起こるだろう。それでも叩きのめすんじゃなくて、ポイントを稼ぐことも必要な試合もあるんだ」

――ショータイムがジェレミー・スティーブンスと戦った時のように。

「その通りだよ。あの時はレスラーのように戦ったよね。テイクダウンを奪って、上から殴る。ああいう勝利がキャリアのなかで必要になり、ステップアップを容易くすることもある」

――こうやって話をしていると、セルジオは20歳になったばかりなのに、かなり冷静にこのスポーツの本質を見究めているようですね。

「20歳といっても、もう5年も戦っているからね。多少は成熟されてくるものだよ(笑)。タフな経験が、そういう風に僕を成長させてくれたんだ」

――ところでフライ級に落してRFAのベルトを取ったということは、フライ級の方がUFCに出る機会が多いというマチュアな考えから判断したのでしょうか。

「階級を下げた理由は、そこしかない。まだ、できたばかりの階級だし、戦いの輪に入っていきやすい。ただ、フライ級で戦うには減量が大変だった。まだ成長過程にあるし、今はフライ級で戦えたとしても、どれだけあの階級に留まっていることができるかは分からない」

――フライ級でズッファと契約し、2試合目からバンタム級に転向しても良いのではないですか(笑)。

「良いアイデアだね(笑)。UFCと契約できたら、たくさん食べるようにするよ。あまり契約のことは話せないけど、以前に話があったことはあったんだ。でも、そんなに急ぎたくなかった。でも、今は違う。もう準備は整ったと思っている」

――では、レコードに傷をつけないようにUFCからのオファーを待つような形ですか。

「そんなことはないよ。9月28日にデューク(ルーファス=セルジオが所属するルーファススポーツのオーナー)が開く大会で試合をするつもりだ。RFAでもドンドン戦っていきたいし、タイミングが合わないと次の試合のようにミルウォーキーのローカルな試合にも出ていきたい。もっと経験を積みたいから。基本的にRFAとはエクスクルーシブなんだけど、デュークのイベントには出場しても構わないんだ。それを認めてくれたRFAには感謝しているよ」

――では、引き続きRFAでも戦い続けることになりそうですか。

「そうだね。ペドロ・ムニョスと是非戦ってみたい。バンタム級の王者だし、階級をまた上げて彼の持つベルトを奪って2階級制覇が当面の目標かな」