9月24日に放送されたドラマ『神様のベレー帽〜手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話〜』について、手塚治虫の長女・手塚るみ子さんがツイッターで感想をつぶやいている。主演の草なぎ剛と共演した大島優子に関するコメントについては、一部のAKB48ファンから批判もあったようだ。るみ子さんは「大島優子さんには不満どころか感謝している」と説明すると共に、娘ならではの父・手塚治虫とのエピソードも紹介しており興味深い。

原作となった漫画『ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜』をドラマ化した『神様のベレー帽〜手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話〜』については、漫画家・手塚治虫ファンで特に原作を読んだ者と、出演者の草なぎ剛大島優子を目当てに視聴したファンとで感じ方に温度差があったようだ。

24日に、手塚るみ子さんが『RumikoTezuka(musicrobita) ツイッター』でドラマの進行と共に感想をつぶやいたところ、手塚治虫ファンや漫画家、あるいはAKB48ファンなどから様々な反響があった。

同ドラマは主人公の手塚治虫草なぎ剛)と彼の新作『ブラック・ジャック』を掲載する漫画雑誌・週刊少年チャンピオンの編集部とのエピソードを中心に展開する。現代の編集部に勤める新米編集者・小田町咲良(大島優子)が手塚治虫をほとんど知らないことから不思議な力によってタイムスリップしてしまい、『ブラック・ジャック』を生み出す手塚治虫の担当となる。昭和48年の編集部でもやはり新米編集者となった彼女は、鬼の編集長と呼ばれる壁村耐三(佐藤浩市)から厳しく指導される。なかなか原稿を仕上げない手塚治虫に振り回されながらも、やがて真の手塚治虫を理解していくのである。

手塚るみ子さんが、ドラマの手塚治虫、編集長・壁村耐三、新米編集者・小田町咲良に関して「大島優子をfeatすればするほど手塚治虫も壁村編集長もインパクトが無くなり存在感がボケるなぁ…」とつぶやいたところ、AKB48ファンのサイトで批判を浴びた。それを知った彼女は「大島優子さんもAKBもDisってるわけではないのに。ついにAKBファンに叩かれちったよー!」と反応しており、真意が伝わらなかったことが残念そうだ。

大島優子さんには不満どころかドラマに出演して下さって感謝してますよ」とるみ子さんは考えており、演技についても「おそらく事前に手塚作品を読んだり色々と勉強して下さったことと思いますし。役とはいえ手塚番になれたのは羨ましいと思う手塚ファンも多いのではないでしょうか」と伝えている。

ドラマ中で他者の編集者たちが手塚治虫がなかなか原稿を仕上げないことについて、「あの人は他の漫画家より5倍描くのが早い。だけど、他の10倍仕事を引き受けるんだよな」とぼやく。それほど多忙な中でさらにアニメ作品を始めることになり、“アニメ部”を設置するのだ。

るみ子さんは、「これでいよいよ家に帰ってこなくなるんだ」とアニメ部ができた頃を振り返る。「借家住まいで父の書斎も家になかった頃」で、父親は仕事場から帰ってもすぐに風呂に入って寝るのでほとんど顔を合わせなかったという。彼女は「そういえば真夜中、BFと長電話の最中に帰ってこられて気まずかったことがありました」という懐かしい思い出も明かした。

彼女の知る漫画家たちもドラマを視聴しながらツイートしていたようだが、るみ子さんは途中から「ドラマを見ている漫画家先生方が次々離脱を…」と気づく。原作を読んでおり、また手塚治虫に期待した者は“新米女性編集者”の存在が予想以上に大きくて集中できなかったようである。そんな状況において、るみ子さんはドラマでもポイントとなった父の言葉「僕にできるんだから貴方にもできます」を取り上げて、「離脱した漫画家の先生方、ここですよ。大事なメッセージは!」と呼びかけるのだった。