【戸塚啓コラム】オーストラリア戦勝利の要因と意味
試合を終えた豊田は、「ゴールという結果を残せなかったので、非常に悔しいデビュー戦です」と切り出した。ドンピシャのヘディングシュートがGKの正面をついた36分の場面や、技巧的なヘッドがわずかにワクを逸れた65分の一撃が、頭のなかで渦巻いていたに違いない。
とはいえ、全体的なパフォーマンスは悪くない。「スタメン発表後に話し合った」という大迫との2トップは、「いい距離感を保ちながらプレーしよう」という狙いどおりのコンビネーションだった。パートナーがあげたふたつのゴールは、いずれも豊田のアシストである。
こうなると、柿谷と豊田の組み合わせも見てみたい。ザックは柿谷を「現時点ではFW」と位置付けているが、トレーニングではトップ下にも入っている。ほぼ即興と言っていいなかでどのようなハーモニーを奏でるかは、彼らの適応能力を見極めるためにも確認しておきたいのだ。
関連情報(BiZ PAGE+)
1968年生まれ。'91年から'98年まで『サッカーダイジェスト』編集部に所属。'98年秋よりフリーに。2000年3月より、日本代表の国際Aマッチを連続して取材している