京都みやげの定番・八ッ橋がいつのまにか進化していた
先日、京都に行ったところ四条河原町にて、女子でにぎわう「nikiniki（ニキニキ）」なるお店を発見。白を基調としたスタイリッシュな外観で、新しいスイーツのお店ができたのかな？と思って近寄ってみたところ、なんとニューウェイブ系（！？）、八ッ橋のお店だったのである。
暑い日だったので、爽やかな水色の「アズール」という生八ッ橋に、「シトロン」というレモン風味のあんを詰めてもらった。北欧のカップに入って出てくるのもオシャレ。しかも、1個70円（！）というお財布に優しい値段なので、これは何種類か試してみたくなりますね……。
「nikiniki（ニキニキ）」をプロデュースしているのは、実は京都で324年続く八ッ橋の老舗、「聖護院八ッ橋総本店」。お話を伺ってみたところ、2011年3月オープンということですでに京都人に定着しつつある様子。
「おみやげ需要だけでなく、地元の方にもっと八ッ橋を食べてもらいという思いがありました。実は、20年ほど前から八ッ橋にアイスクリームやフルーツを合わせるという着想はあったのですが、路面店をオープンするにあたって、より気軽にカジュアルなかたちで八ッ橋を提供できれば、と。従来の八ッ橋だと日持ちなど考えて実現できなかった、旬の食材をフレッシュな状態で楽しんでいただけます」とのことだった。
また、これまで「聖護院八ッ橋」では老舗として100年続くことを念頭に商品開発を行ってきたため、なかなか実験的なことができずにいたのだが、新業態である「nikiniki（ニキニキ）」においては、お客様の要望に柔軟に応えられたり、新しいことに社員が挑戦できる場としても機能しているという。
なお、「カレ・ド・カネール」のほかに私がびっくりしたのが「季節の生菓子」。私が訪れたときにはなんと、「不思議の国のアリス」（！？）の世界を生八ッ橋で表現しており、これは従来の和のイメージをひっくり返す斬新さですよね……。ひとつひとつスタッフが手作りしているそうで、こちらも月ごとにいろんなモチーフが登場するので、楽しみにしているファンも多いのだとか（ちなみに、現在はあじさいやカエルなど、梅雨をイメージしたモチーフに変わっているそうだ）。
ここ数年、この「nikiniki（ニキニキ）」のほかにも、黒七味で知られる「原了郭」がカレー屋さんをオープンしたり、くずきりで知られる「鍵善良房」がモダンなカフェをオープンするなど老舗の新たな試みが目に付く京都。観光客が期待するいつまでも変わらない部分と、思い切って変えていく部分。このあたりの絶妙なバランス感覚も、京都ならではの魅力になっているのかもしれませんね！？
（まめこ）
