内閣改造後、わずか3日でスキャンダルにまみれた野田内閣。もはや、お家芸とも言われる「外国人企業からの違法献金」で、3人もの閣僚が糾弾されたが、その中でさらなる疑惑が注目される人物がいる。
 それが、ほかならぬ田中慶秋法相なのだ。政治部記者がこう話す。
 「今回の醜聞は、田中氏が代表を務める民主党神奈川県第5区総支部が、台湾籍の会社経営者から計42万円の献金を受けていたものだが、田中氏は『昨年の東日本大震災後に同氏が帰国し、国籍がわかった』と弁明。その後も返金していなかったことから、悪質と評判になっているのです」

 ちなみに田中氏は、診療報酬の不正請求事件で起訴された人物が経営する医療法人から献金を受けていたことが'08年に発覚。その際にも後日返金しているが、こうした“前科”があるためか、さらなる疑惑が持ち上がっているのだ。
 「注目を集めているのは、地元・神奈川にあるJR戸塚駅西口の再開発なのです。この計画は'62年に決定し45年間も店晒しとなっていたが、'07年に着工にこぎ着けた。ところが、再開発の実権を握る田中氏の下を建設業者が日参し、『かなりの裏金が渡った』との指摘があるのです」(同)

 また、地元・神奈川県の建設業者はこう話す。
 「田中さんは地元でフィクサーとも呼ばれており、若手議員の選挙応援に駆けつける際には、白い麻のジャケットにサングラス姿。そのスジと見紛うばかりのいでたちなのです。また、過去には『議員の本分は地元の発展に貢献し、その対価として稼ぐこと』などと若手議員に話したこともあり、利権で騒がれたことも一度や二度ではないのです」

 もっとも、こうした疑惑が高まり始めたためか、「地元の労組票を取りまとめる力は絶大」と言われた田中氏の威光にも、陰りが見えているという。
 「田中の秘書を務めた水戸将史参議院議員が、先月、日本維新に移籍したのは衝撃的でしたが、今回の醜聞で有権者離れも起きている。新たなスキャンダルが発覚すれば、田中を頼みとしてきた地方議員らが民主党を離脱する可能性も否めないのです」(政治部デスク)

 田中氏のさらなる疑惑には、野田総理も戦々恐々?