中田さんの旅…中田さんが世界5ヶ国を巡り「俺のアナザースカイは世界」と言い切った件(後編)。
「人生は旅であり、旅とは人生である」…あの名言を残した旅人は、大体同じような旅をずっとしていた!

日常に変化を求めたい、刺激を求めたいという気持ち。人生はいつも退屈に満ちています。生活が安定すれば同じ作業の繰り返しとなり、生活が不安定ならお金もなく時間もなくできることもない。結局、退屈を感じずに生きられる時間はほんのわずか。多感な子どものときと、朽ち果てる直前のわずかな無感のときだけ。

そんな退屈を解消するのは「事件」のみ。そして事件が起きるのは「旅」の中。見知った世界の中では何かが起きても大概は想定内。自分が築いた城の中にいれば、多くのことは対処可能な出来事です。しかし、ひとたび旅に出ればすべては想定外。例えば旅先で病気になれば、かかりつけの医師はおらず、押入れの中の薬箱も当然ない。そこで病に苦しみながら病院を探し、初めて出会う医師の診断。これはひとつのクエストのように、人生に刺激を与えてくれる事件です。

名探偵コナンが毎週殺人事件に会うと不自然ですよね。そこはどんだけ殺人街なんだよと。とんでもないスラムじゃないかと。しかし、水戸黄門が毎週悪代官に出会うのは不自然ではありません。何故ならそれは旅先だから。旅先で起きる事件は自然に受け入れられるからです。よくよく考えれば「江戸幕府の威光が全然届いてない…」「謀反の計画だらけですやん…」「葵の御紋もビックリさせる程度の効果…」とおかしな点もありますが、旅先だとそれが気にならないのです。

しかし、そんな旅も、それが日常となれば再び退屈に取り込まれていきます。世界100ヶ国を旅したというあの旅人ですら、その法則からは逃れられません。本人が意識しているかどうかはともかく、旅人の旅は2、3年前からまったく変わっていなかったのです。多少「事件」はあるのかもしれませんが、大体同じような話ばかりで、他人事ながら「この旅、飽きたな…」と思うようなループ&ループ。ずっと何かを紹介している旅だったのです…

ということで、まるでデジャブのように過去のイイモノ紹介が甦る旅人の旅について、12日の日本テレビ「アナザースカイ」からチェックしていきましょう。



◆出掛ける→出会う→驚く→人に紹介する→ニヤリ、の繰り返し!

「もうひとつの故郷を紹介する」という触れ込みの番組で、4ヶ国を巡ると言い出したコンセプトキラー。旅人は2週に渡り同番組で世界を旅していました。もはや「いや、そういう各国の中で一番自分にとって大切な場所を紹介してもらうのがこの番組の…」などという話は通じるはずもありません。

まず旅人はイタリアでファッションブランドDIESELの代表と会談。ところが、番組中では大した話は紹介されず、ただ握手して談笑しただけの扱いに。僕も個人的にDIESELのジーンズを愛用しており、初めて履いたときには「何かホモっぽいですね」と会社の女子に言われた思い出の一品でもあり、会談を楽しみにしていたのですが…。まぁ旅人は移動で忙しいので、ここは我慢するしかありません。

つづいて旅人が訪れたのは、イタリアのビエンナーレという祭典。映画や建築、芸術などさまざまな文化的活動が発表され、それを見比べるというイベントです。旅人はここで日本から建築部門に出典しているという、伊東豊雄さんと会うのだとか。DIESELの代表とはただ会っただけで、「こっちまで来て見てみたい。それが一番の目的」とビエンナーレ訪問こそがイタリア行きの最大の理由であると明かしたのです。

↓そして旅人は、いつものごとく最後は自分が出てくる旅行記を報告してくれた!

<イタリア ビエンナーレ訪問に関する旅人の道程>

※道程の見方:★がついたところが重要な情報でぜひお知らせしたい場所、▲がついたところは、スルーしてもらって構わない場所となっております

日本館「みんなの家」プロジェクトを訪問

伊東氏と「どうもどうも」と挨拶

番組では「のちにこのプロジェクトが金獅子賞を獲った」と紹介

このプロジェクトは東日本大震災の被災者が集うことができる家を作るというもの

建材には津波のあと立ち枯れた木を使うなどしている

旅人は伊東氏に割愛できる程度の質問をぶつけ、いい表情のVTRを作成

満足そうに出来栄えを見守る旅人

★伊東氏:「このプロジェクトのお金の半分くらいは中田さんが集めてくださった…」

★番組:「このプロジェクトで中田英寿は資金集めに協力していた」

★番組:「そう、中田の存在なくしては実現しなかったのだ」

旅人:「僕は、後ろの黒子的なものが結構好きで」

旅人:「僕にとってチャリティーとは、面白いかどうか」「未来につながるものが面白い」

ひとしきりパトロンとしての視察を終えると、映画部門をぶらり訪問

そこで映画はそこそこにグッチの代表と談笑

伝統を重んじるグッチの姿勢に旅人も共感

足を伸ばしてグッチの博物館に向かう旅人

旅人は案内人に割愛できる程度の質問をぶつけ、いい表情のVTRを作成

旅人:「(グッチのように)素材のもつ可能性を突き詰めて、新しい形で提案していくのが重要」

★番組:「中田が素材にこだわる理由、リバリューニッポンプロジェクト。そこで彼は毎年テーマとなる素材を変え、さまざまな作品をプロデュースしていたのだった」

さらに旅人はグッチの工房を訪問

竹を曲げてカバンの持ち手を作る作業を見学、体験する

★番組:「(そんな感じで)中田は3年前から日本の各地を回り、伝統文化を学んでいる」「行く先々に発見がある」

再びグッチの代表のVTRが流れ、「伝統を守る」「完全イタリア製の製品にはイタリアの文化のDNAが宿っている」という言葉が紹介される

★旅人が行なっているリバリューニッポンプロジェクトも、グッチの活動と共鳴するものなのだ

さらに旅人はニューヨークへ大移動

理由は「どうしても会いたい人がいる」から

旅人はコンサルタント会社社長のHIGASA MIKI氏と会談

▲HIGASA氏は先ほど出てきた「みんなの家」プロジェクトを支援してくれた人なのだ

旅人:「忙しそうですね」
HIGASA:「そうねファッションウィークだからね」

何だこのアグリーベティみたいな会話

番組:「お礼は会って直接伝えないと意味がない」

ここ数年の旅人の活動は「誰かが頑張る→旅人が紹介する→頑張っている人が助かる」の流れが徹底して貫かれている!

旅人の紹介力は、一流のファッション雑誌に匹敵するな!

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さらに旅人はニューヨークをぶらりしながら、和食の名店「雅」を訪問。日本の伝統を学んできた旅人は、同じように日本の伝統を武器に世界で勝負するオーナーシェフ高山雅氏にシンパシーを覚えていたのです(※向こうはシンパシー感じているかは知らないが)。そこで旅人は全国の酒蔵を巡ってセレクトした「十四代」という酒を提供。高山氏も「ウチにもそれあるよ」と応じ(←持ってくるまでもなかった)、二人で酒を酌み交わしたのです。美しい交流、文化を愛する者同士の共感。素敵な時間ですね。

番組の終わりには、「旅人はロンドンにもいた!」とロンドンで日本酒の試飲会を開いた模様も紹介。イタリア、ニューヨーク、ロンドン、先週の旅のミャンマー、ブラジルも合わせれば実に5ヶ国を訪問した旅人。番組のコンセプトを木端微塵にしたコンセプトキラーは、最後に自身の旅哲学を語り、「アナザースカイ」をあとにしたのです…。

↓旅人が語る、これが「旅」!

旅人:「僕にとって楽しいってことは、ラクってことじゃないから。同じ字でも」

旅人:「ほかの方よりも自分に素直でワガママで、ただワガママであるためには一生懸命やって責任を持つ。それだけの話」

旅人:「自分が本当に人生を楽しむために、それに向かって挑戦しているって感じですね」

旅人:「(旅人って)ラクじゃないんですよ。アハハハハ」

旅人:「(僕にとってのアナザースカイは)やっぱり、世界がそうですね。どこかひとつというか世界中がそうであって、未来がそうであって。過去がそうであって。今の自分ってのは現在であって、それは今の故郷じゃないですか。未来かもしれないし、過去かもしれない。そこに会った世界は僕にとってのアナザースカイ」

ドラえもん:「未来があって過去がある」
ドラえもん:「そこで僕はいろんな道具を紹介する」
ドラえもん:「すると誰かが助かる」
ドラえもん:「でものび太クンは僕に感謝する」
ドラえもん:「道具に、ではなく」
ドラえもん:「実際に助けたのは道具だけど、感謝するのは僕に対して」
ドラえもん:「何故なら、道具を紹介したのは僕だから」
ドラえもん:「それが僕にとってのアナザースカイ」
ドラえもん:「ん?アナザースカイを飛びたい?」
ドラえもん:「ハイ、タケコプター」
ドラえもん:「それは京都の竹から職人が一本一本手作業で削り出したものだよ」

何だかよくわからないけれど、定住してないってことだけはわかった!

確かに僕も「家でゴロゴロするのも結構ラクじゃない」って常に思ってるからな!

旅人は大変なんです!ずっと同じように世界をグルグル回っていますが、グルグル回るだけでもそれはそれで大変なんです!

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旅人の「誰かが頑張る→紹介→助かる」のループはまだまだつづくのだ!