ご存じの通り、自民党は総裁選で地方票を最も集めた石破茂氏をソデにし、安倍晋三元総理を再選させた。だが、この民意を裏切る党首選が自民党の追い風を弱め、急激に無党派層を増殖させているのだ。
 「そのため小沢氏は、橋下との連携を実現させ、自民党に嫌気がさした無党派層を取り込む第3極を『維新』と共に作ろうと躍起。自民党との対決姿勢を鮮明にし、2党で自民に迫る得票数を獲得しようと狙っているのです」(前出・党関係者)

 もっとも、小沢氏の“あくなき逆襲”はこれで終わりではないとの声もある。語るのは、外務省関係者だ。
 「官僚の間では、『選挙後、小沢が政権中枢入りする可能性もある』との指摘も多い。民主党の田中真紀子らが訪中時に、尖閣問題をめぐって共産党序列第4位の賈慶林人民政治協商会議主席から罵倒されたが、今の政界に中国と交渉できる人物は見当たらない。唯一強力なパイプを持っているのが小沢で、比較第一党の自民党は彼と組まざるを得なくなるというわけです。そのため、小沢が選挙後の自民との連立、入閣まで視野に入れていてもおかしくないとの見方もあるのです」

 実際、'09年に次期国家主席が確実視されている習近平氏が訪日した際に、小沢氏は宮内庁と揉めてまで同氏と天皇陛下との会見を実現させたほど。そのため、「習氏には大きな貸しがある」と漏らす者が絶えないのだ。
 また、小沢氏は次期中国政権で習氏に次ぐ実力者になると見られる李克強第一副首相とも昵懇の間柄。同氏は若い頃、小沢邸に居候していたことがあり、反日テロと尖閣問題にさらされる次期政権は、「こうした小沢氏の政治力をないがしろにはできないはず」(同)と見られているのである。

 全国紙政治部デスクがこう話す。
 「次期総理就任が目されている安倍と小沢は水と油。だが、そこに一時は安倍を『維新』に引っ張り込みかけた橋下がいる。小沢と橋下連合が自民党に迫る大躍進を遂げれば、3党連立もあり得る話なのです。さらに、小沢の中国への政治力が注目されれば、閣僚入りや副総理の肩書が転がり込む可能性も大いにある」

 また、前出の外務省関係者はこう語る。
 「無罪確実で、検察とマスコミに叩かれまくってきた小沢氏の足かせがついに外れた。今後、民主、自民潰しが始まるのは確実なのです」

 果たして、今後小沢氏の逆襲がどこまで功を奏するかが見モノだ。