青木は他の選手同様に公開計量後、会場となるシンガポール・インドアスタジアムでケージの下見を行ない、キャンバスの固さに注意を払っていた (C) MMAPLANET

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明日6日(土・現地時間)開催のONE FC06「Rise of Kings」で、初めてシンガポールで戦う青木真也。4月のエディ・アルバレス戦の敗北から、DREAMが事実上活動停止となり、イヴォルブMMAを拠点に活動することとなった彼にとって、新天地で初めての試合となる。アルナウド・ルポン戦を翌日に控えた青木が、現在の心境を語った。

――シンガポールがホームというイメージが確立した青木選手ですが、実のところ明日が初めての試合となります。

「OFCは最初の大会から見ているので、新しいイベントで戦うっていう意識はないですね。特に思うことなく、普通に一つの試合です」

――とはいっても、この1年でOFCはアジア最大のイベントに成長しました。

「こっちにいると、日本のイベントとRFCやPXC、そしてLFCなんかの見られ方に差がなくなってきたと感じるんです。日本に関してステイタスのようなものを僕自身が感じなくなりましたね。

そういうなかでOFCで試合をすることは……、そうですでね、まだ若いって言われるんですけど、僕自身そうは思っていません。どこまでやれるのかっていう確証はないですから、明日の試合も大切な一戦だと思っています。こう見えて、僕はわきまえているというか、自分の実力もちゃんと分かっているつもりではあるので、ルポン戦は成長するための試合として大切にしたいです」

――当初の予定では元UFCやストライクフォースで戦っていたファイターと対戦というプランを、OFCも持っていたようですがなかなか決まらず、アルナウド・ルポンという、名前が通っていない選手が相手になりました。

「どんなファイターでも怖さはあると思っていますし、そういう気持ちもあります。なんか自信があるのか、やたらと挑発してきますし。どこから、あの自信がくるんだろうという怖さはあります」

――計量でもエンターテイメントに徹しているのか、本当に心臓が強いのか掴めないところはありました。

「分からないですよね。怖いですよ。何が起こるか分からないですからね」

――そういう怖さはありますが、それでももう少し名前のあるファイターと戦って欲しかったという声はあります。

「凄く正論だと思います。ただ、僕らファイターっていつまでたっても雇用されている側なので、僕らに言われても……」

――それはプロモーターに言って欲しいというところですか。

「ただ、本当に頑張って準備をしてきた試合なので、良いものをお見せできればなって思います」

――イヴォルブMMAがベースとなり、どこか伸びたと実感できる部分はありますか。

「精神的な部分ですかね……。それは正直、強くなったと思います。やっぱりDREAMで良い思いをしてきたし、守られてもきたと思うんです。なんていったらいいのか……、極道の映画でいえば親分がいるから喧嘩をするっていうのところもあったし。そういうことでいえば、『この野郎』っていう気持ちで人と接すること自体が、今はダメな行為だと思うようになりました。そういう部分は変わったと思います」

――今大会、OFCライト級王座決定戦に出場するのは盟友のソロバベル・モレイラになりました。仮に王座が彼のモノとなると、青木選手はOFCで何を目指して戦っていくのでしょうか。

「まずは明日の試合なんですけど、まぁ将来のことに関しては、自分がどこまで上がれるか。それは1番だとか2番っていう価値観は重要視していなくて、自分が未熟なのは分かっているので……。だから、チャトリが『タイトル戦はゾロで行こうと思う』って言った時も、それが適任だとしか思わなかったですし、ここで俺がっていう気持ちは本当にないんです。ただワクワクする試合や、挑戦っていうものは続けていきたいです。

ホントにホントに自由なんで。前のように上手くいかないことも多いですけど、何か良い感じなんです(笑)。だから、勝ちたいんです。勝ち方は拘っていないです。とにかく勝ちたい。アルバレス戦から色々あった半年間だったので、まぁ良い結果が出ると良いなと思っています。本当に勝ちたいです」

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