ロンドン五輪開幕!

五輪の難しさと素晴らしさを同時に感じるような一日でした。開会式後、27日にスタートした各競技。日本の選手たちは奮闘を見せました。ある選手は失意と後悔の中で五輪を去り、ある選手はやり直したくなるような一日をすごし、ある選手は選手生活を結実させる大きな成果を残しました。

その評価は、他人ができることではありません。たとえ金メダル獲得でも悔いの残る戦いはあるでしょう。たとえビリでも、誇らしい戦いはあるでしょう。上辺のインタビューなどでは測り知れない、選手の本心。僕らは軽々に「金メダルおめでとうございます」とも「銀メダル残念でしたね」とも決めつけることはできないのです。

しかし、たったひとつだけ絶対間違いのないポイントがあります。

それは「自己ベスト」。選手自身が過去の自分を乗り越えたなら、それは間違いなく祝福できる結果です。最高の自分を五輪の舞台で出したのですから、その時点ではそれ以上を望むことはできないでしょう。逆に金メダルであっても、自己ベストでないのなら、何らかの課題や反省は残るはず。もっとやれたのではないかという想いが。

五輪の舞台で自己ベストを出すのは難しく、また、五輪の舞台でなければ自己ベストを出すのは難しい。4年に一度のその日だから、ギリギリの体調を整え、精神を研ぎ澄まし、技術の研鑽に打ち込むこともできるというものです。人生を懸けた準備ができるというものです。一生に一度の結婚式だと思えば、クソ面倒臭い準備もこなせたりするように。

Do the Best.

ベストを尽くせ、全力を出せという意味で贈られる言葉ですが、僕は「自己ベストを出せ」という意味で使っています。ベストを尽くしても、結果がダメなら満足なんかできやしない。全力を出しても、届かない夢なら虚しいだけ。でも、昨日の自分に克つことはできる。その夢は誰もが叶えられる。そんな想いを込めて。

Do the Best. Do the Best. Do the Best.

すべての選手が同時に叶えられるかもしれない、誰と競わなくても成し遂げられる夢。少しでも多くの選手が笑顔で大会を終えられるように、最後まで「自己ベスト」を期待しつつ、選手たちに声援を贈りたい…僕はそう思うのです。

ということで、27日の日本選手団の活躍から、自己ベストに届かず悔しい銀メダルと、自己ベストで嬉しい銀メダルをチェックしていきましょう。



◆開幕したら、一気に日本選手団がグダグダボロボロになってきた!

日本時間の27日早朝。僕は眠い目をこすりながら、開会式をテレビで見ていました。いよいよ始まる16日間の期待に胸を膨らませていました。「明日の新聞の一面は『福見金』かなー」「あるいは射撃の松田が金で見出しに困る結果になっているかなー」「その場合は『射撃で謎の誰かが金』とかだなー」などと、俗っぽい妄想をしていました。しかし、フタを開けてみれば大苦戦の連続だったのです…。

●柔道女子-48キロ級
福見友子、浅見八瑠奈と世界王者を抱える日本。どちらが出ても金メダル筆頭候補と想定していたものの、いざ初の五輪に臨んだ福見友子さんは、どこかおぼつかない感じ。

スッキリしない勝ち方でやっとこ準決勝まではきたものの、準決勝のドゥミトル(※北京で谷亮子に勝った金メダリスト。福見は過去負けなし)戦では、引手不十分のまま仕掛けた大外狩りを返されて優勢負け。失意の中で迎えた3位決定戦も、押し気味に進めた延長戦で一瞬のスキをつかれ、小外掛け一本負け。

本番で飛び出したまさかの「ついうっかり」は、いくら世界王者になっても、いくら次回対戦でリベンジしても、4年後の五輪まで決して取り返すことはできないもの。金メダル候補だからこその、オリンピックの難しさを感じる一日でした。

↓福見は茫然自失のまま、「これで代表引退」と決めた五輪を振り返る!

福見:「……………これがオリンピックかなと思います」

福見:「私自身は一生懸命やりました。これがオリンピックだと思います」

福見:「とても、日本でやっているような雰囲気で、すごく支えになりましたし、チカラになったんですけど、それを結果に、結果に出せなくて本当に悔しいです」

福見:「…………………金メダル、獲りたかったです」

谷さんは33歳の年に北京で銅メダルを獲ったぞ!

引退ってのは、思い残すことがないヤツのすることだ!

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●男子柔道-60キロ級
福見さんが金メダル候補なら、ある意味で「自分らしく頑張って」な感じだったのが男子最軽量級の平岡拓晃さん。前回北京では野村忠弘の4連覇の夢を打ち破って代表の座を勝ち取るも、何もしないまま初戦で敗れ去りました。ある意味、「まぁどんな結果でも前よりはマシだろう」という状況で迎えた五輪でした。

初戦は「ポケモンカードの奪い合いのために柔道を身につけた」ことで話題のアシュリー・マッケンジーを撃破。準々決勝では、残り7秒までリードを許しながら、必死の攻めで追いつき、延長の末に逆転。「拾った命」で準決勝に進むと、金メダル候補のソビロフ、ガルスチャンが反対側のヤマに入っていたこともあり、あっさりと決勝進出。日本人第一号のメダル確定者となります。

決勝は、まぁ見事に一本負けを食らいましたが、前回を思えば大進歩。男子柔道唯一の五輪経験者として「チームのためにも僕が金メダルを獲るべき」とした意気込みは達成できませんでしたが、見事な銀メダル獲得となったのです。

↓銀でも十分よかったとは思うけれど、やっぱり金がよかったそうです!
平岡:「あのー、悔しいかなと思って…。前回北京で負けて、次のオリンピックの金メダルだけ考えて、この4年間やってきたんで…悔しいです」

平岡:「会場のみなさんが応援してくれて、すごい後押ししてくれてたのはわかったんですけど、どうしても金メダルでお礼を言いたかったんですけど、情けないです」

平岡:「4年前負けてからいろんな罵倒も浴びて、その中で応援してくれる人たちもいっぱいいて、本当にみなさんのおかげで、またこの場に戻ってくることができて、ロンドンオリンピックという畳の上で試合できることができたので、みなさんのおかげです。ありがとうございました」

平岡:「(今後の進退については)今はまだ負けてしまった悔しさ、男子柔道…僕が金メダル獲って勢いをつけなきゃいけなかったのが、それができなくて、その悔しさでいっぱいなんで…。明日、海老沼が絶対金メダル獲ってくれると思うんで、そのサポート役に回りたいと思います」

いやでも、銀でよかったと思うぞ!

組み合わせ次第ではメダルなしもあっただろうし、何より準々決勝で負けてても全然おかしくなかった!

今日はラッキーデー!



●男子体操 予選
第一種目・鉄棒で田中兄が落下寸前の演技停止、山室光史もグラグラ、内村航平クンと田中弟は落下するという最悪の始まり。その後も、床でラインオーバーを連発する田中兄、あん馬で落下する内村クン、跳馬でマットから勢いよく飛び出していく山室…とグダグダ演技の連続。

団体決勝にこの点数は持ち越さないとはいえ、この最悪の一日により、種目別決勝への進出など、多くのものを失うことに。ある意味で、スッキリと「団体戦の金を目指そう!」と全員の目標が絞り込まれる結果となりました。

↓内村クンがプルプルしながら「理解不能!理解不能!理解不能!」と壊れていく感じに!
内村:「いやーもうーなんか、応援してもらっているみなさんに、すごい申し訳ない気持ちでいっぱいですハイ」

内村:「(落下の原因は)そうですね…まぁ…自分では、持てると思って離したんですけど、全然手が届いてなかったので、原因はあんまりわかんないっすねハイ」

内村:「後半で立て直せたのかもしれないっすけど、これを最初からできないのはやっぱり悔しいし、やっぱり今まで何やってきたのかっていうのが…何かわからないっすね、もうホントにハイ」

とりあえず田中と仲良くね!

「雰囲気壊すな」「足引っ張るな」「先に失敗されたらみんな固くなるんだよ」などの文句は大会後まで封印しよう!


●射撃 男子エアピストル10メートル
見てないけど、決勝だけ見ようと思ってたら、予選で負けてた…。


と、悔しさにじむ結果がある一方で、嬉しい報せも。主に柔道関連が失意の初日を終えたあとの、ふたつのメダル獲得。それはいずれも金ではありませんが、「自己ベスト=日本新記録」を出してのものでした。自分に克った結果が銀や銅なら、それはそれで仕方なく、納得して帰れるものなのです…。


●競泳男子 400メートル個人メドレー
今回は出るだけで、メダル争いは4年後だろう…なんて思っていたら、アッサリと銅メダルを獲得したのは、競泳・萩野公介。ライアン・ロクテ、マイケル・フェルプスに挟まれながらも、怖いもの知らずの17歳は予選から日本新の連発で表彰台へ。明らかに相手が不振だったとは言え、マイケル・フェルプスを上回っての表彰台はお見事でした。

あまりにアッサリと行き過ぎて、本人も含め実感のわかない快挙。そのせいか、競泳界の伝統として「今まで生きてきて一番幸せです」「チョー気持ちいい」「金がいいですぅーーー」など、一発ギャグを披露してもらうべき試合後インタビューでも普通に会話してしまったのは残念でした。次回はちゃんと一発ギャグの用意もしておいてほしいものですね。

↓競泳界の怪物の間に割って入った!帰国後フィーバーの予感!(動画混雑中)
http://cgi4.nhk.or.jp/olympic/common/player/news/view.cgi?params!!3,NW600617,0

次回は「自分が勝つ前提」でいろいろ準備しておくように!

一発ギャグのほか、「女優になりたい」要求とか、「芸能人の誰それに会いたい」要求とか!


↓ちなみに、ツイッターではすでに「大島優子さんに会わせろ」要求を提出済み!




「世界一速く泳げる人間」と「絶対にその中を泳ぐことができない液体」とかの対決でいいんじゃん!?

プールの中に液体ノリとか入れる感じで!

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●女子重量挙げ-48キロ級
女子の重量挙げという比較的新しい種目。競技開始にはやや遅いと言ってもいい、中学年代からの挑戦。女子中学生の決断は、同じ種目で五輪と金メダルに挑戦した「父親を喜ばせてあげる」ためのものでした。

大会に出て、いい結果が残せないとき。練習で上手くバーベルを挙げられないとき。娘が想うのは「お父さんゴメンね」「上手くできなくて」「喜ばせてあげられなくて」ということだとか。悔しい、辛い、悲しいという自分の話ではなく、一緒に戦ってくれる父を想う。その想いの強さに比べれば、バーベルなどさしたる重さではないのかもしれません。

バーベルを揺らさず、できるだけ真上にスッと引き上げる。世界で勝つために取り組んできたフォーム改善と、それを支える身体の側面の筋肉の強化。そして、前回大会では失敗した減量過程の改善。心身共に充実した状態で迎えた3度目の五輪は、結果を残す条件が整っていました。

↓三宅宏美さん、自分を超える日本新記録で、お父さんを超える銀メダル獲得!
(動画混雑中)
http://cgi4.nhk.or.jp/olympic/common/player/news/view.cgi?params!!3,NW700614,0

トータル200キロの大台には惜しくも届かず!

って、もう200キロに挑戦する時点で笑っちゃってたからね!

今日はもう「満足」に達しちゃったんでしょう!


↓三宅さんはホントに嬉しそうに、メダルの喜びを語った!

三宅:「ホント夢のようで、ホントに正直、ホントに実感がわいてないんですけれども、何と言うか…ホントにホントに実感がわいていなくて、ホントにずーっとメダル目指して12年間(やって)きて、そしてホントに強豪国の中国の選手と一緒に少しでも競り合うことができて、いつもこの試合っていうのは、オープニングのほうでずーっといたので、自分自身が最後のほうで戦えるっていうのは、ホントになかったことだったので、ホントにすべてが夢のようなことで、そしてそういう選手たちと一緒にできるっていうことは、すごく感謝の気持ちとかすごく嬉しい気持ちで、ホントに今日はみんなの想いと一緒に挙げられたんじゃないかな…という風には、ホントは、最後挙げたかったんですけど、110キロで安心してしまったのかなというのもあって、でもホントに、実感ないんですけれども、ホントにホントに嬉しく思います」

三宅:「そうですね。ホントに長いようで、ホントにーもう、北京が終わってから千何百日っていう練習を積んできて、この28日たった一日でこの運命の日というか、この一日で決まるのがホントに、昨日からあぁ今頃今日終わってるんだなとか、そういうドキドキとか、そういった気持ちがホントに多くて、ホントにいろんな緊張をしていたんですけれども、でもとにかく自分自身の目標記録を挙げることに専念して、何ていうか今日はまたたくさんの日本の方たちや、報道の方たちだったり、いろんな方たちが応援してくださったので、何ていうか、その方たちからパワーをもらえてホントに挙げれたんだと思ってます」

三宅:「ホントに正直、ホントに実感がなくて、ホントに夢のようで、自分自身がホントにメダルを獲れるなんてずっと思っていなかったので、それが夢が叶って、何ていうかホントに一瞬にホントに決まってしまって、何ていうか…父より、銅より銀で一個上にいけたんで、嬉しいです!」

何ていうか、ホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにホントにおめでとうございます!

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2日目は、柔道女子中村美里らが登場!いい流れを作ってくれ!