【セルジオ越後コラム】ハンドスプリングスローより見応えがあったもの

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24日に行われたアイスランド戦は、久しぶりに、とてもレベルの低い試合だったね。開始早々の先制点で一瞬期待したけれど、その後はダラダラとパスをまわし、ミスも多く、そしてアイスランドのプレスはまったく緩かった。試合の一番の見どころが「スローイン」では、満員のお客さんに申し訳ないよね。

この試合のテーマはいったいなんだったのか。何のための試合だったのか。個人的にはそこがわからないまま終わってしまった印象だ。ザッケローニ監督は久保や柴崎ら10代の若い選手を招集したが、結局使わなかった。それどころか、試合前日の時点で「試合には起用しない」と明言していた。では、なんのために呼んだのか。この試合で使わなかったら、いつ使うというのだ。練習の雰囲気を味わっただけでは、うまくならないよね。

また、マッチメイクは日本サッカーの大きな問題点だ。レベルを上げるためには、もっと強い相手と組まなければいけないし、アウェイでの試合を重視するべきだ。けれどスポンサーノルマ、興行としての側面が強い試合ばかりで、真に強化となっていない。キリンはせっかく「強化」のためにお金を出しているわけだから、多少赤字を覚悟してでも意味のあるマッチメイクを追求すべきだ。けれど「強化」という目的はどこかに忘れ去られ、興行的なメリットが第一にきている。これは本当に日本サッカーのために改善しなければならない問題だと思うね。

本田圭佑は、W杯で優勝すると言った。その言葉のとおり、日本サッカーはW杯優勝に向かって努力しているだろうか。出場権を獲得して、なんとなく満足している風潮がありはしないか。ただ出るだけではなく、もっと高いレベルを目指すのであれば、強化という目的を見失わずに、意味のあるマッチメイクをしてもらいたいね。

どうしてもこの試合内容で苦言ばかりになってしまったが、最後に一つ。全体的に緩慢だった試合の中で、1ゴール1アシストをした槙野からは必死さが伝わってきた。欧州で溜まった鬱憤を晴らすかのように、生き生きと走り回っていたが、欧州へ行って戻ってくる事は必ずしも失敗ではないと思っている。オレは失敗なんかしていないぞと、プライドを持って帰ってくれば、どこでプレーしたって成長できる。プレーよりもまず姿勢だ。それはカズが証明しているね。槙野の気持ちの伝わるプレーは、ハンドスプリングスローより見応えがあったよ。

[photo by フォート・キシモト]