【セルジオ越後コラム】ハンドスプリングスローより見応えがあったもの
この試合のテーマはいったいなんだったのか。何のための試合だったのか。個人的にはそこがわからないまま終わってしまった印象だ。ザッケローニ監督は久保や柴崎ら10代の若い選手を招集したが、結局使わなかった。それどころか、試合前日の時点で「試合には起用しない」と明言していた。では、なんのために呼んだのか。この試合で使わなかったら、いつ使うというのだ。練習の雰囲気を味わっただけでは、うまくならないよね。
本田圭佑は、W杯で優勝すると言った。その言葉のとおり、日本サッカーはW杯優勝に向かって努力しているだろうか。出場権を獲得して、なんとなく満足している風潮がありはしないか。ただ出るだけではなく、もっと高いレベルを目指すのであれば、強化という目的を見失わずに、意味のあるマッチメイクをしてもらいたいね。
どうしてもこの試合内容で苦言ばかりになってしまったが、最後に一つ。全体的に緩慢だった試合の中で、1ゴール1アシストをした槙野からは必死さが伝わってきた。欧州で溜まった鬱憤を晴らすかのように、生き生きと走り回っていたが、欧州へ行って戻ってくる事は必ずしも失敗ではないと思っている。オレは失敗なんかしていないぞと、プライドを持って帰ってくれば、どこでプレーしたって成長できる。プレーよりもまず姿勢だ。それはカズが証明しているね。槙野の気持ちの伝わるプレーは、ハンドスプリングスローより見応えがあったよ。
[photo by フォート・キシモト]
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サッカー解説でお馴染みのセルジオ氏による辛口コラム。