田口、山崎……そして古木。“戦力外”大物選手たちの次の働き場所
スタジアムに吹く秋風が身にしみるこの季節。大物選手が続々と戦力外通告を受けている。
10月9日、東北楽天は主砲・山崎武司(42歳)の退団を発表。2005年の球団創設からチームを牽引してきた大ベテランも、今季は右手薬指骨折の影響などで打撃不振に苦しみ、シーズン終盤にはスタメン落ちが続いた。2億5000万円という高額な年俸と年齢を考慮すると戦力外通告は妥当なのかもしれない。
スポーツ紙の楽天番記者が言う。「ファン人気も高い功労者がこのような形でチームを去るのは残念。退団の発端となったのは、10月1日のオリックス戦でスタメン落ちした山崎があるコーチに詰め寄ったこと。彼は以前から首脳陣の各選手への“配慮の欠ける対応”に不満があり、それが積もり積もって爆発したんです。チームリーダーとしての自覚、さらに彼の性格からしてひと言物申さずにはいられなかったのでしょう」
中日、オリックス両球団で、当時の監督と起用法などをめぐって対立し、退団した前科のある“もの言う大砲”山崎。楽天側のコーチ要請を断り、国内他球団での現役続行を希望しているが、こんなやんちゃな40代を獲得する球団はあるのか?
「筆頭は古巣・中日。来季は、高木監督を迎え“脱落合”を掲げており、落合時代に落ち込んだ人気を回復するため地元出身の山崎獲得はうってつけ。お金の問題さえクリアできれば、中日入りに障壁はない」(スポーツ紙デスク)
その山崎より先に戦力外通告を受けたのは、元メジャーリーガーでプロ生活20年のオリックス・田口壮(42歳)。イチローらとともに日本一を経験するなど黄金時代を知るチームの精神的支柱も、やはりケガには勝てなかった。
「春のキャンプ時から右肩に違和感があり、夏頃に回復しかけたものの再び悪化。完全復帰には手術が必要といわれています。若返りを図る球団に、42歳のベテラン選手の復帰を待てるほどの余裕はない。本人は手術をして現役を続けるとしているけど、年齢が年齢だけに、このまま引退となる可能性も大きい」(オリックス番記者)
そして、一度ユニフォームを脱いだにもかかわらず、再び球界に挑戦しようという猛者も。09年に横浜を退団、格闘技界に飛び込んだ古木克明(30歳)だ。「松坂世代屈指のスラッガー」という看板を一度下ろした彼がなぜ球界復帰を決めたのか? 古木をよく知るスポーツライターの村瀬秀信氏はこう語る。
「漫画みたいな話ですが、格闘技を経験したことで動きが格段にシャープになったともっぱらです。実際に打撃練習でも効果があったようで、本人も『現役時代にも見られなかった打球が飛ぶようになった』と復帰に自信を深めています。イチローや斎藤佑ちゃんとは違う意味で“持っている”と言われる古木のこと。奇跡が起こるかもしれません」
闘いの場はリングから再びスタジアムへ。すでに複数の球団が水面下で調査を開始しているとの情報もある。当の古木は11月24日のトライアウトに向け、黙々とトレーニングに励んでいるという。
「どの球団であろうと球界復帰すること自体が異例中の異例。どんな結果になろうと、どのチームに入ろうと、こんな面白いことはありません。ただ、ある在京球団は(彼が以前つけていた)背番号3番と33番が空いているので獲ってくれたら……。個人的な願望ですが」(村瀬氏)
大物選手たちの再就職活動から目が離せない。
(写真/益田佑一)
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闘いの場はリングから再びスタジアムへ。すでに複数の球団が水面下で調査を開始しているとの情報もある。当の古木は11月24日のトライアウトに向け、黙々とトレーニングに励んでいるという。
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