江蘇省の無錫新伝媒はこのほど、日本の新幹線を紹介する記事を掲載した。開業以来半世紀近く乗客が死亡する事故を起こしていない新幹線は、日本人らしい入念さ、真面目さの積み重ねの賜物(たまもの)と評価した。直接に書いたわけではないが、「世界で最先端」と豪語しながら大事故を起こした自国の鉄道関係者への批判と読める内容だ。

■新幹線…繁雑で味気ない検査の繰り返しが大事故を防止

 記事はまず、2004年の中越地震の際、脱線はしたが155人の乗員乗客からひとりの死傷者も出さなかった事例を紹介した。その背後にあるのは、国土交通省が定めた新幹線車両に対する毎日の検査、交換検査、月例検査、重要部分の解体検査、全車解体検査で、各検査とも1000以上の検査項目が定められていると指摘した。

 軌道の検査も厳格で、営業運転がない午前0時から6時まで、点検と保線作業を行っているばかりか、総合検査車両も開発し、営業運転時と同様の速度で走らせ、線路の磨耗(まもう)や列車制御装置、無線通信の状態を記録していると紹介。「繁雑で味気ない検査を毎日繰り返して行うことで、小さな問題を見つけ出し、大事故の危険性を未然に取り除いている」と評価した。

■新幹線…死傷者なくとも事故車両は資料として保存

 中越地震時の脱線事故では、死傷者が出ていないにもかかわらず、日本の鉄道関係者は大いに反省したと紹介。脱線防止装置を新たに取り付け、脱線車両では車輪が車体を大きく傷つけていたことから、その防止装置も新幹線の全車両取りつけることになったと紹介。脱線事故を起こした車両は、「現在にいたっても、資料としてJR東日本の訓練施設に保存している」と指摘した。

 中国の鉄道当局が7月23日に事故を起こした高速鉄道車両を、翌24日には「埋めてしまった」ことに対しては、中国国内でも多くの批判意見が出た。新幹線の「事故車両の永久的保存」は、中国当局のやり方との対比の意味を込めて紹介したと考えられる。

■新幹線…サービスのレベルも世界屈指

 筆者は実際に東海道新幹線の京都から東京までに乗車した。速度面で驚くことはなかったが、駅も車内も極めて清潔であったことには感銘を受けたという。また、「日本のサービスのレベルは世界屈指とされているが、新幹線の車内も例外ではない」と指摘。検札に来る車掌は微笑みを絶やさず、各車両で検札終了時に乗客に向けて頭を下げ、『お騒がせをしました』と挨拶することには、「(中国国内のサービスと比較して)複雑な気持ちを感じた」という。

 筆者は「日本人は現在の中国に対して複雑な思いを持っている」と主張。北京五輪大会の成功や、高速鉄道の運用など、中国の急発展に対して、日本人は「とまどっている面がある」との見方を示した。

 しかし、「北京にいた時に、中国の高速鉄道が起こした大事故と、一連の故障について、日本人がなぜ、大騒ぎをするかは理解できなかった」と告白。日本人は命の安全を最低限の条件と考えているのであり、「われわれが、自らを誇るのはよい。民族精神もよいだろう。しかし日本人の、入念に仕事をする精神は、学ぶべき価値があるものだ」と主張した。(編集担当:如月隼人)