【杉山茂樹コラム】サッカーを巡る、旅の醍醐味
海外を旅することに、夢や浪漫を抱けない若者が急増しているわけだ。それとは180度異なる理由で、この職業に就くことになった僕には信じられない話だが、だとすれば、それは非ワールドカップ的、非サッカー的な姿になる。日本がワールドカップでベスト16に進んだ意義とも乖離している。ニートや引きこもりが増えるのも分かるような気がする。
パソコンと睨めっこしていれば、分かった気になれる「情報化社会」も、後押ししているような気がする。海外の情報は、ネットを繋げば一目瞭然。実際に見なくても、見たような気分に落ち入れる。僕には非健康的な姿にしか見えないのだけれど、それと対照的なテイストを持つのがブラジルだ。ブラジルワールドカップだ。そこには、超健康的な匂いがぷんぷんと漂う。少しでも自分が非健康的だとの自覚があるサッカーファンは、いまからその観戦旅行の準備をすべしと言いたい。期間中1か月丸々、ブラジルの各会場を旅して回れば、非健康的なムード漂う日本社会にあって、かなり浮いた存在になれること請け合いだ。
ワールドカップの旅は4年に1度、自分自身をリセットする良い機会。ブラジル大会の効能は、おそらく過去最高。それを思うと、これから4年間、ますます気分良く生きていけるような気がする。
関連情報(BiZ PAGE+)
スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。