人気書道家・武田双雲さんに聞いた“ポジティヴ思考の秘訣”(2)

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 型破りなパフォーマンスで話題を集める人気の書道家・武田双雲さん。そんな武田双雲さんはどうしていつもポジティヴに前を見据えているのか? そんな双雲流思考術の秘密がつまった『武田双雲にダマされろ』(主婦の友社/刊)が好評だ。

 単独インタビュー第2回目となる今回は、双雲さんが書道家に転身されたきっかけ、現代のサラリーマンに欠けている部分を語ってもらった。

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■「自分が出来ないこと」より「自分が出来ること」を探せ!

―本書のタイトルが『武田双雲にダマされろ』と。とても印象的なタイトルですよね。

武田双雲さん(以下、双雲)「これは、『ダマされたと思って一度でいいからやってみて』という意味でつけたんです。やってみないと分からないじゃないですか。だから、この本に載っていることをダマされたと思って一度でいいからやってみて欲しいです。」

―どんな人にこの本を読んで欲しいと思いますか?

双雲「人生を少しでも良くしたいと思っている人ですね。」

―というと、人類全員ということですね。

双雲「そう、人類全員です。この本、実は“人類”って言葉から始まっていますからね、やたら壮大なんですよ(笑)!いきなり人類かい!って。」

―双雲先生はサラリーマンから転身されて書道家になったと書籍で拝読したのですが、どのようなことがきっかけで書道家に転身されたのでしょうか?

双雲「簡単に言うと…褒められたことが嬉しかったのが一番の理由です(笑)。僕、人生の中であまり褒められたことがなかったんですよ。で、あるとき会社の先輩の名刺を筆文字で作ったら、『字、上手いな!』とか『かっこいい!』って言われて。それがあまりにも嬉しくて会社を退職してしまったんです(笑)。」

―つまり、その瞬間に書道で生きていこう、と思ったわけですね。

双雲「そうです。もっと褒められたいという気持ちだけですからね。でも、全然迷いがありませんでした。辞める、辞めないという選択肢ではなく、書道で何をしようか、それしか考えていませんでしたから。」

―そういった双雲先生の人生が本書に投影されているわけですね。

双雲「そうは言いつつも、でも、怒られるのは怖いですよ(笑)。失敗するってやっぱり嫌じゃないですか。できれば失敗は避けたい。だから必死に考えるんです。やりながら考えて、常に創意工夫、試行錯誤しながら修正を加えていく。周囲から見ると斬新なことをしているかも知れないけど、自分としては普通に良いと思ったことを必死にやっているだけなんですよね。」

―そんな双雲先生から見て、現代のサラリーマンに欠けていることって何だと思いますか?

双雲「子どもの無邪気さかな。サラリーマンになってちょっと慣れると、急に老けるというか知ったつもりになるじゃないですか。でも、子どもの無邪気さって凄くて、何でも遊びに変えてしまいます。風呂敷一枚でもマントにして遊んだり、もっと言えばただ走るだけで遊びになっちゃうんですよ。そういう無邪気さというか、やんちゃ感が足りないかなと思いますね。」

―子どもの頃の夢も、だんだん大人になるとその夢が萎んでくる気がします。

双雲「この本にも書いていますけど、大人は出来ない理由を集めることについてはプロフェッショナルなんですよね。だから、出来ない理由ではなく、出来る理由を集めていれば、いつでもワクワクできます。
そういうときにこそ、“ダカラコソデキルコト”を意識して欲しいんですよね。例えば30歳でしたら、30歳“ダカラコソデキルコト”、食品メーカーに勤務しているなら食品メーカー“ダカラコソデキルコト”、この会社にいる“ダカラコソデキルコト”。足が速いのであれば社内を走り抜ければいいと思いますし、掃除が好きでしたら、社内をどんどん掃除していけばいい。自分が出来ることからやっていく。それだけだと思いますね。」

(第1回 「僕は、書道のときも人生をテーマに作品を創作している」に戻る
(第3回 「世界中の人が“心から楽しいっす”と思えるような世の中になって欲しい」に続く


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