担当M(以下M):さて! ラモスさんにもワールドカップの予想をしてもらいましょう。

ラモス(以下R):まだ大会が始まってないのに、これは難しいね。ブラジルとアルゼンチンはいいところまでいくと思ってるんですけどね。アルゼンチンは途中で良くなると思いますよ。

M:ベスト8の予想からいってみましょうか。

R:アルゼンチン、イングランド、ドイツ、オランダ、デンマーク、イタリア、ブラジル、スペイン、かな。アフリカのチームにどこか頑張ってほしいんだけど……。可能性があるとすればナイジェリアかな。始まらないと何とも言えないですけどね。アフリカはどこも本大会に来ると良くも悪くも別チームのような戦いぶりを見せたりしますからね。

M:もしアフリカ勢が上がってきたときにやられちゃいそうなチームってどこでしょうか。

R:やられそうな雰囲気を持っているチームと言ったら――イングランドかな。今まで、ここで頑張れば上にいける、という試合であっさり負けたりしてますからね。同じようなことはデンマークにも言えますね。負けるときはコロッとあっさり負けますからね。この2チームはアフリカ勢と当たりたくないんじゃないかな(笑)。

M:そこから勝ち上がりそうなのは?

R:アルゼンチン、オランダ、ブラジル、スペイン……だったらいいな。その組み合わせになったら、どの試合も良いサッカーが観られると思うんですけどね。

M:それで決勝の組み合わせは?

R:ブラジルとアルゼンチン。アルゼンチンは南米のフランスと呼ばれてるんです。ちょっとお高くとまっている部分があって、それが開けっ広げなブラジル人とは合わない。日本に来たアルゼンチン人にはそんなツンとしたところのない選手もたくさんいましたけどね。だけどサッカーになると、どちらも南米で一番うまいのは自分たちだと思っているから熱い試合になる。だから手に汗を握る試合になるんです。

M:日本人とあまり体格が変わらない南米の人たちがあそこまで強いのは、いつもテクニックを磨いているからでしょうか。

R:技術も駆け引きも違うと思いますけど、忘れちゃいけないのは体の鍛え方だということですね。日本人はもっと強い筋肉を付けなきゃいけない。南米の選手たちも筋肉は鍛えているんです。細く見えても強い筋肉というのがあって、それをトレーニングで手に入れているんです。日本の若い選手を何人かブラジルに送り込んで、あっちでフィジカルトレーニングをすればすごいプレーヤーができると思います。そしてそんなプレーヤーで日本代表が組めたら、それこそいろんな話が夢物語じゃなくなると思いますよ。