選手内にリーダーが不在のままチームをまとめるにはどうしたらいいか。ドメネク監督の解決策は、緊張を生みそうな選手を外すことだった。レキップ紙の解説員を務めるエマニュエル・プティ氏ら多くの専門家が、ベンゼマとナスリを招集しなかったポイントがそこにあると見ている。ふたりはユーロ2008でチームの和を乱し、“ジェネレーション・ギャップ”をもたらしたというのが“定説”だ。

 ドメネク監督が予選からベンゼマ、ナスリをほとんど起用してこなかったのはたしかだ。ヴィエラに至っては出場はまったくなし。しかし予選での戦いぶりが低調で、何かを変える必要があったのもまた誰もが認めるところ。ヴィエラやナスリの復帰はその選択肢のひとつだったが、あえて新顔の登用を選んだ。ただしそれも「先発で起用されないとやる気を維持するのがむずかしい。新しく来た選手はそこを埋めることになる」という監督の言葉は、“ベンチに置いても文句のない選手”を招集したという消極策にも聞こえる。つまりは、予選からの路線維持、というのが今回の顔触れのいちばんの特徴だろう。