2011年新卒採用で4社に1社が「昨年に比べ採用人数は減らす予定」としていることが、楽天リサーチと楽天が運営する就活サイト「みんなの就職活動日記」によるインターネットアンケートで分かった。調査は、1月29日から2月1日にかけて、同社登録モニター約179万人の中から、全国の20〜69歳の男女計800人の人事担当者を対象に行った。

 2011年卒の新卒採用人数は、「昨年(2010年度)に比べ採用人数は横ばいの予定」(39.1%)、「昨年に比べ採用人数は減らす予定」(23.5%)、「昨年に比べ採用人数は増やす予定」(11.3%)という結果となった。

 この結果を昨年10月に実施した調査と比較すると、「横ばい予定」が4.5ポイント減少、「減らす予定」が1.9ポイント増加、「増やす予定」も1.8ポイント増加した。2月に入り業績が明らかになることで、採用数を固める企業が増加した模様だ。

 採用人数だが、増やす割合は、「1〜10%増」が32.2%でトップ、次いで「11%〜20%増」(27.8%)、「51%以上増」(20.0%)となっている。増やす企業の多くが採用数の“微増”を予定している。

 一方減らす割合は「11%〜20%減」(26.1%)がトップ、次いで「41%〜50%減」(18.1%)、「51%以上減」(16.5%)と続き、減らす企業の減少幅が拡大していることが明らかになった。

 2011年の就職戦線について、就職氷河期であるかないかを聞いたところ、「氷河期」が53.5%、「超氷河期」が20.0%と、合計が73.5%となり、前回調査に比べ9.2ポイント増え、特に、「超氷河期」との回答は7.5ポイント増え、昨年を越える厳しい就職活動が予想される結果となっている。

 また、最も早く内定を出す時期を聞いたところ、「4月中に出す予定」が25.4%とトップ。一方、最も多く内定を出す時期については、「それ(7月)以降」が25.4%、次いで「4月中に出す予定」(21.0%)が続いている。企業規模別では、例年通り大手企業は4月をピークに内定を出す傾向で、中小企業では、大手企業の採用がひと段落した7月以降に内定を出す傾向があることが分かった。

 内定を出す人数については、「採用予定数に対して、例年並み」という回答が最も多く64.4%を占めた。次いで、「採用予定数に対し、やや少なく」「かなり少なく」がそれぞれ17.6%、12.7%と続いている。採用人数は業績に連動して確定するが、いまだ景況感に不透明があることから、企業側の慎重な採用姿勢がうかがえる結果となっている。

【企業事例】ジョンソン・エンド・ジョンソン〜採用の根幹はクレドへの共感とリーダーシップ
政府が新規成長分野の就職面接会を初めて実施(2010-02-10)
2010年就活に学生が危機感 9割以上が「前年と比べ“厳しい”」(2009-12-07)

日本人材ニュースHRN」は人材採用・人材育成の専門紙。「中立公正」「確かな取材活動」で情報提供を行っています。