Androidケータイが今年のトレンドとなる理由

日本でもドコモからAndroid搭載端末のHT-03Aが発売開始されたことから「Android」の名前をニュースなどでよく見かけるようになってきた。Android携帯、すなわちAndroid OSを採用したスマートフォンは2008年に登場したHTCの「T-Mobile G1」が最初の製品で、同社は今年になってから「Magic」「Hero」と相次いでAndroid携帯を市場に投入している。このうちMagicは前述したHT-03Aを含め、Vodafoneグループなど世界各国で販売が開始されている。

HTCと言えばWindows Mobileスマートフォンの最大手ベンダーだが、このようにすでに3機種のAndroid携帯を投入しており今ではAndroid陣営の中心的存在にもなっている。Android携帯はオープンなモバイルプラットフォームの開発を推進する「Open Handset Alliance (OHA)」に参加する企業からも登場する予定だが、最近になってようやく具体的な製品が数社から発表された。中でも注目はSamsungとHuaweiの製品だ。

SamsungのGalaxy(i7500)は大手メーカーによる初のAndroid携帯になる。製品の質感もよく、有機EL16万色表示ディスプレイ、内蔵8GBメモリ、HSDPA7.2Mbps/HSUPA5.76Mbps、5メガピクセルカメラなどAndroid携帯としては最上位のスペックを備えている。この7月からはヨーロッパの一部地域で発売が開始された。

最上位のスペックを備える Samsung Galaxy

Samsungは複数のOSを製品に採用しており、特定のOSに偏らないマルチプラットフォーム戦略を取っている。今年に入ってからはタッチパネルを搭載したフルタッチ端末のラインナップを急速に増やしているが、ほかのOS---Windows MobileやSymbian---を搭載する同社端末も、同社開発のユーザーインターフェース「TouchWiz UI」を採用し、異なるOSの端末で同じ操作性を提供している。

これに対し、Android OS搭載のGalaxyのUIではHTC製品と同一のAndroid標準のものを採用している。これは端末の開発コンセプトがGoogleサービスやAndroidマーケットで提供されるアプリケーションの利用を前提としているからだろう。Samsungブランドによる単独販売も当然予定されており、そうなればGalaxyはAndroid携帯の利用層を大きく広げるものになりそうだ。

Huaweiは、この秋に発売予定の「U8230」の実機を7月に発表している。Huaweiは今や世界中の通信事業者に端末やネットワーク設備を販売している世界有数の総合通信機器ベンダーにまで成長している。このうち端末は各事業者ブランド品としてOEM提供されており、各通信事業者が3Gサービスを開始する際、消費者に安価なエントリーモデルを提供している。日本でもイー・モバイル向けに同社製品のベーシックな機能を備えたH11HW/H12HWが販売されている。

ハイエンドスマートフォン Huawei U8230

エントリーモデルが多いHuaweiだが、U8230の位置づけはハイエンドスマートフォンであり、これまでの同社製品群とは位置づけが大きく異なっている。HuaweiがAndroid携帯を投入する背景には、各国で開始された3G/HSDPAサービスに対応するモバイルインターネット端末の需要が急増しているからだろう。各国の通信事業者は安価な3G端末だけではなく、これからはユーザーがよりサービスを使ってくれる端末を求めている。海外では携帯電話からのWEBサービスやSNSの利用が増加しており、従来の「携帯電話向けコンテンツサービス」ではなく、PCと同様のインターネットサービスを携帯電話で利用する動きが活発化しているからだ。

Android携帯はGoogleの各種サービスが使える上に、フルブラウザを通じてWEB上のサービス利用もスムースに行えるなど通信事業者のニーズに最適な製品でもあるわけだ。Huaweiはネットワーク設備と端末をセットに提供でき、また端末のカスタマイズも柔軟に対応するなど通信事業者側にとっても導入の敷居が低い。すなわちAndroid携帯はモバイルインターネットにとって最適な端末として、今後各国の通信事業者が続々と採用する可能性が高いと言える。

大手端末メーカーのSamsungと、大手通信機器ベンダーのHuawei、この2社からAndroid携帯が登場することにより、今年は利用者数が一気に拡大することになるだろう。今年後半には他社からも続々と製品が登場することが予定されており、今年はAndroid携帯が一つのトレンドになることは間違いなさそうだ。

山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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