プレミアリーグが発表した公式戦の海外開催案について、サッカー界の重鎮から反対意見が相次いでいる。すでに、FIFA(国際サッカー連盟)のゼップ・ブラッター会長も反対しているこの計画について、ドイツサッカー協会の副会長を務める元西ドイツ代表伝説的プレーヤー、フランツ・ベッケンバウアーも「2018年ワールドカップ招致に影響が出る」と語り、計画の見直しを提案している。

 FIFAの理事も務めるベッケンバウアーは、2018年ワールドカップのイングランド開催を後押しする態度を表明していた。それだけに、FIFAの意向に反する計画を推し進めるプレミアリーグの行動は、サッカーの母国でのワールドカップ開催に悪影響を及ぼすと警告している。

「FIFAはプレミアリーグの海外開催に反対している。私ならこの計画を見送るね。2018年ワールドカップの開催地決定は間もなくだし、イングランドは有力な候補地のひとつだ。そんな状況で、FIFAの機嫌を損ねる行為をするのはいかがなものか。ワールドカップの開催地に立候補している間は、FIFAと友好的な関係にいるべきだ。さもないと、開催のチャンスを逃してしまう」

 さらにベッケンバウアーは、プレミアリーグ海外開催の代替案として、FAカップの決勝戦といったカップ戦などのゲームを海外で開催するプランを提案している。

「一発勝負の試合を重要な試合を海外で開催するのはいい考えかもしれない。例えば、FAカップの決勝戦をウェンブリーではなくて、北京や上海で開催すればいい。クラブにとってのメリットも大きいだろう。ただ、この場合でもFIFAは反対すると思うがね。そもそも、海外のマーケットをかき乱すような行為だから。アイデア自体はいいと思う。しかし、実際に実現するかは甚だ疑問だ」

 FIFAに加え、UEFA(欧州サッカー連盟)やAFC(アジアサッカー連盟)も反対の意向を表明しているプレミアリーグの海外開催プラン。FIFAのブラッター会長が2018年ワールドカップ招致への影響を語ると、FA(イングランド・サッカー協会)までもが計画の見直しを求める態度をとり始めた。 “皇帝”ベッケンバウアーのアドバイスに従い、FAはプレミアリーグを説き伏せることが出来るだろうか?