フットボール選手の中には、貧困などつらい思いで少年時代を過ごした選手がいる。サラゴサのブラジル人FWリカルド・オリベイラもその一人。オリベイラがスペインのTV局“ラ・セクスタ”のインタビューで自身の少年時代を語った。

「8歳の時に僕の父が死んで、15歳で街に出て物乞いをしなければならなかった。家は貧しかったからね。お腹がすいていたから、人に食べ物をねだったりもしたよ。それに、お金にするために街では何でも拾ったよ。仲間の中には暴力、盗み、ドラッグなんかに走る子もいたさ。でも、僕はそうしなかった。食べ物はなかったけれど、何かできるといつも思っていたんだ。実際、仕事はなかったし、信号のところで食べ物やお金をねだる生活だったけれど、盗みは決してしなかった。子供の時はあまりにも貧しかった。でも、夢があったからそれを乗り越えることができたんだ。フットボール選手になるっていう夢だよ」。

 そして、自身の夢を叶えたオリベイラ。苦しい時代があったから、今の成功がどれだけ素晴らしいものか、価値のあるものか、が分かるという。

 オリベイラの仲間がみんな彼のように夢を持ち、その夢を掴んだわけではない。「子供の時の友達はほとんどいないんだ。何人かは死んでしまったし、何人かは刑務所にいる」と語った彼の現役引退後の夢は、神の言葉を伝え、人々を助けていくことだそうだ。もちろん、27歳の彼が引退するのはしばらく先の話。フットボールをする幸せを人一倍感じているオリベイラは、これからもゴールという形でチームを助けていくことだろう。

(スペイン通信)

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