ナポリが喘いでいる。先週末もサンプドリアに完敗し、シーズン初めの快進撃はどこへやら11位に留まっている。映画産業で財を成し派手好きなデ・ラウレンティス会長は、移籍市場に計4600万ユーロ(約73億6000万円)をつぎ込んだが、期待に見合う結果が得られているとは言いがたい。UEFA杯出場権獲得を望む会長と、残留争いを第一に考えなくてはならない現場との乖離が目立ち始めた。試合後ロッカールームに乗り込んだ同会長とレヤ監督の罵り合いが大々的に暴露されたこともあった。

 低空飛行の原因は、さまざまな要因による求心力の低下にある。FWラベッシの能力は疑う余地がないが持続性に欠ける。チーム得点王のFWサラジェタも重要な場面でのゴールが足りない。上層部の未熟な市場戦略のおかげで、前線を活かせる有能な左SBは数年来いないままだ。過去2季下部リーグでナポリを引っ張ってきた指揮官レヤも、Aの大舞台でしばしば采配ミスをくり返している。

 これに、アウェイで1勝3分7敗という抜群の内弁慶ぶりが加われば、結束力が欠けてくるのも当然だ。したがって、ホーム「サン・パオロ」で行われる日曜のエンポリ戦には、再びレヤ監督の首がかかることになるだろう。

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