ファビオ・カペッロ新監督率いるイングランド代表は6日、スイス代表との親善試合に2-1の勝利を収めた。初陣を飾った新監督は、従来のイングランド代表とは異なるアプローチでチーム強化に着手している様子で、代表選手にも新鮮な驚きを与えているようだ。

 スイス戦で守護神の座を任されたポーツマスのGKデイビッド・ジェームズは、試合の2時間半前にスタメン発表を行なうカペッロ監督の方針を高く評価。「試合直前まで選手全員が集中できる」と語り、ポジション争いの緊張感を歓迎した。

「カペッロ監督はスタメンを直前まで発表しないから、緊張感が保てるんだ。本当に誰にもスタメンが分からない。僕自身はこのやり方は素晴らしいと思う。試合の前日にスタメンが発表されてしまうと、緊張感を持って試合に望めない選手が出てくるからね。監督は練習でも選手を盛んにローテーションさせていたので、本当に誰一人として自分がスタメンかどうかが分かっていなかった。これは驚くべきことだよ」

 さらに、カペッロ監督は合宿所での選手の過ごし方も大きく変えたようだ。「テレビゲーム禁止」、「短パンとスリッパで歩き回らない」、といったルールを打ち立てた指揮官についてジェームズは、「本当に厳しい」とコメント。特に食事に関するルールが、選手たちに一番大きな影響を与えたと語っている。

「監督は本当に厳格にルールを守らせているよ。食事は全員同じテーブルで一緒に食べなければならないし、全員食べ終わるまでその場を離れることは許されないんだ。最初は『早く食べろよ!』と思いながら他の選手やスタッフを見ていたけど、同じテーブルにいると自然と会話も弾むんだ。それでお互いの関係性も築けるし、悪くないルールだと今は思う。でも、デザートをお代わりする連中にだけはウンザリさせられるね!」

 新監督が持ち込んだ新たな文化を、代表選手たちも歓迎している様子。イタリア・セリエAの舞台で輝かしい実績を残した名将カペッロは、サッカーの母国でも確かな地位を築きつつあるようだ。