1位ミラン、2位ウディネーゼ、3位レッジーナ、4位エンポリ、5位カリアリ……。これが何のランキングか、おわかりになるだろうか?
 セリエA各クラブの現会長(オーナー含む)在職期間の長い順である。

 1位のミランのトップは、元イタリア共和国首相ベルルスコーニ氏だ。1986年2月に会長職に就くと、政争のあおりを受けた2004年12月に一時名誉会長職に退いたがオーナー職には留まりつづけ、2006年6月に復帰した。
 在任20年を祝った際には、『BERLUSCONI 20』とナンバリングされたミランのユニフォームが全国紙の一面広告を飾った。財力、政治力にものを言わせた22年におよぶ在任期間に得たトロフィーの数は膨大だ。

 ウディネーゼ・オーナー、ポッツォ氏もクラブトップの座に就いてから長い。現セリエAクラブの間では2位にあたる。会長職こそ腹心に譲っているが、実直一筋の地方クラブのパトロンとなって21年7か月の年月が流れた。

 エンポリのコルシ会長も16年5か月の在任期間を誇る。彼が会長になったのは、わずか30歳のときだった。現セリエAの最年少会長は、パルマの実業家ギラルディ氏。32歳ながら、今冬の移籍市場でもFWルカレッリ獲得など精力的に動いた。

 クラブ経営にあたって、現在のプレミアのように外国人によってクラブ株買い占めということはイタリアでは起こりにくい。
 1991年から現職に就いた、カラブリア州のレッジーナのフォティ会長などは、着任時「クラブをカラブリア人の手中に!」とスローガンを掲げ、クラブスタッフを全員地元雇用とした。閉鎖的ともいえるが、地域の名物会長が存在した古き良き時代の欧州サッカーは、こんなところにもまだ息づいている。