先月31日をもって閉幕した冬の移籍市場。リーグ・アンでの動きはどうだったか、レキップ紙が総括している。全体としては、今年は例外的に話題性に乏しく、地味だったと指摘されている。

 その理由のひとつとして、現在はちょうど2008-2012 年期のテレビ放映権の入札期間にあたっており、各クラブの経営陣には放映権収入の見通しが立つまで大きな支出を控える傾向があったようだ。リーグ・アンのクラブは、欧州の他の主要リーグに比べ、放映権収入に頼る比率が高いとされる。

 加えて、開催中のアフリカネーションズ・カップで、リーグ・アン所属の選手を多く抱えるマリやセネガル、モロッコが早々とグループリーグで敗退するという予想外の結果もあった。予定より早いクラブ合流が叶うことになり、他の地域出身の選手に入れ替えられる予定だった17人のアフリカ人選手が、結局残留することになった。

 今回の移籍市場でもっとも期待外れな結果に終わったのがパリ・サンジェルマン(PSG)。攻撃陣の大型補強を狙ったが、FWのフレッジ(リヨン)、グフラン(カーン)、MFのクラジッチ(CSKAモスクワ)、ジアニ(マルセイユ)らにことごとく振られた。結局、ブラジルからMFソウザ(サンパウロ)とFWエベルトン・サントス(コリンチャンス)を獲得したが、「第三希望」の感は否めない。

 ブラジル代表のフレッジは、ポジションを争うベンゼマの爆発的な活躍により移籍候補に追いやられた。リヨンのオラス会長がチェコ代表のバロシュかフレッジのいずれかを放出する意向を表明するや、PSGはフレッジ獲得に名乗りを挙げ、移籍は確定的と見られた。しかしフレッジ本人が条件に難色を示し交渉は難航、代わってバロシュのポーツマス移籍(期限付き)が決まった。

 ちなみにポーツマスは今回、バロシュのほかにも、DFオベイ(ランス)、MFムヴエンバ(レンヌ)とリーグ・アンから3人を得ている。

 ボルドー、カーン、サンテティエンヌ、ストラスブールの4クラブは、選手を売却しただけで、補強はゼロだった。

 一方、補強に成功したチームとして、ランス、リール、リヨンを挙げることができる。ランスはリヨンから左SBのベラジ、オセールから元マルセイユのFWマウリダを。リールはビジャレアルからMFマブバ、PSGからFWフロを。リヨンはユベントスからDFブームソン、バルセロナからMFクロサス、アルゼンチンのクルス・アスルからFWデルガドをそれぞれ獲得している。

 リヨンはニースからブラジル人MFエデルソンも獲得した。エデルソンにはレアル・マドリーなどのビッグクラブも注目していた。リヨンがニースに払った移籍金は今回のリーグ・アン移籍市場でもっとも高額の1400万ユーロ(約22億円)。ただしエデルソンは、今シーズン終了まではレンタルの形でニースでプレーを続ける。