アーセナルのアーセン・ベンゲル監督は、マンチェスター・ユナイテッド加入前のMFクリスティアーノ・ロナウドと契約寸前まで交渉を進めていたことを明らかにした。ロナウド自身もアーセナル入団を望んでいたと語るベンゲルだが、その詳細については口をつぐんでいる。

 ロナウドがマンUへの移籍を決めたのは2003年8月だが、世界中にスカウト網を張り巡らせるベンゲルは、いち早くその才能を把握し獲得に乗り出していたという。しかし、ライバルクラブがロナウドを獲得する様を見守るしかなかった背景には、マンUとロナウドの古巣スポルティング・リスボンとの特別な関係があったと、ベンゲルは語っている。

「ロナウドについてはよく知っている。一度はアーセナル移籍が成立しかけたこともあったからね。しかし、マンチェスター・ユナイテッドがアシスタント・コーチにカルロス・ケイロスを迎えて以来、スポルティング・リスボンとの間で特別な関係が生まれた。そこが彼らと我々の違いだった。彼はアーセナル入団を希望していた。真相は本人に聞いてみれば分かることだ」

 さらにベンゲルは、「今は伏せておくが、ロナウドの獲得を巡って、皆さんが驚くような話もある。いずれお話するよ」とコメント。マンU移籍の経緯については、スポルティングとの親善試合でロナウドのプレーに衝撃を受けたアレックス・ファーガソンがクラブ側に獲得を指示し、試合の6日後に移籍を電撃発表したと伝えられていたが、真相は別のところにあるようだ。「ロナウドは点も取れて、ケガで試合を欠場することも少ない。その意味では、リオネル・メッシよりも上だろう」とこの若きポルトガル代表を高く評価するベンゲルは、逃した魚の大きさに悔しさを滲ませているようだった。

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