チェルシーのアブラム・グラント監督は、16日に対戦を控えたアーセナルがケガ人続出の状況に耐え切れないだろうとコメント。それぞれケガ人を抱えるライバルチームの状況を分析しながら、首位奪還に強い自信を示した。

　ジョゼ・モウリーニョの後任としてチェルシーの監督に就任したグラント。就任当初はなかなか勝利に恵まれず、ビッグネームの監督が就任するまでの繋ぎ役と報じるメディアがほとんどだった。しかし、その後着実に結果を残し始めたイスラエル人監督は、フランク・ランパード、ジョン・テリー、ディディエ・ドログバ、ペトル・ツェホといった中心選手が続々と戦線離脱する状況にも、的確なチームマネージメントで勝点を重ね、いまや首位アーセナルと勝点3差の3位にまで順位を上げている。

　この状況に、普段は温厚なグラントも足踏みを始めたライバルチームの戦況を皮肉を交えてコメントしている。

「10月のチャンピオンズ・リーグでバレンシアに勝利を収めてから、チームに勢いがついた。その後は多くの試合で勝点3を獲得しているし、ケガ人が多くても良い内容のフットボールが展開できている。チームの実力が出た結果だと思っているよ。最近のアーセナルを見てみるといい。ケガ人が出てから足踏みを続けているだろう。マンチェスター・ユナイテッドも、ウェイン・ルーニーが欠場したボルトン戦では敗れているし、ヨッシ・ベナユンを欠いたリバプールはレディングに負けたばかりだ。彼らは我々を上回る戦力を抱えているにもかかわらずだ。これは、我々がチームの勝利のために全員で戦っている証拠だ。短期間に数多くのケガ人を抱えてしまったが、選手たちは自分の役割を完全に理解している」

　先日、エースストライカーのドログバが膝の手術を行い、復帰までには最低でも3週間はかかるといわれている。しかも、1月にはアフリカ・ネーションズカップも控えており、更なる戦力の低下は避けられない。しかし、8日のサンダーランド戦では、代役のアンドリー・シェフチェンコが得点を奪うなど、チームの結束は強い。新監督就任までの“繋ぎ”といわれたグラントが、新たなチェルシー像を着実に作り上げている。