先日、選手移籍などにおける不正な金銭授受に絡むとして逮捕されたポーツマスのハリー・レドナップ監督が、改めて自らの潔白を主張。先週水曜日に行なわれた警察の取調べでも容疑を全面否定したレドナップは、今回の逮捕劇が監督としてのキャリアに致命的な打撃を与えるだろうと語っている。

　先日イングランド代表監督を解任されたスティーブ・マクラーレンの後任にも名前が挙げられていたレドナップだが、贈収賄容疑での逮捕は、自身のキャリアに加え、家族にも大きな影響を与えると語っている。

「今回の逮捕にはとても傷ついた。私の人生はめちゃくちゃにされた。私が本当に不正を働いたのなら、フットボール界から追い出してくれて結構。しかし今回の逮捕は、私だけでなく、家族の人生まで台無しにしてしまった…」

　さらに、自らの容疑を完全否定するレドナップは、昨年あるビッグクラブから監督就任要請を受けていた事実を明らかにし、自身のキャリアにおけるモチベーションがお金だけでないと語っている。

「昨年、あるチームから監督就任のオファーを受けた。今よりも相当に良い条件でね。先方に失礼だから名前は伏せるが、ポーツマスよりも大きなクラブであることは確かだ。しかし、私はその話を断った。なぜなら、自分自身の準備が出来ていなかったことと、妻のサンドラと離れることが考えられなかったからだ。正直に言って、稼ぎが週に1万5000ポンド（約340万円）くらい増えようと、私は自分の人生を変えるつもりはない。人によっては大金だし、横柄な発言に聞こえるかもしれない。しかし、私が言いたいのは、お金がすべてではないと言うことだ。幸運なことに、素晴らしい仕事に就いて、高い給料を貰っている。しかし、私にとって今大事なのは、妻と犬の散歩に出かけることのできる生活なんだ」

　好スタートを切った今シーズンのポーツマスは、プレミアリーグの6位につけている。その成果が認められ、イングランド人監督の中で次期代表監督の最有力候補として名前が挙げられていたレドナップ。しかし、突然の逮捕劇で、長年かけて築き上げてきたステータスがすべて崩れ去ってしまった。いまだ怒りが収まらないベテラン監督は、その容疑を晴らして再び代表監督候補に名乗り出ることが出来るだろうか。