来年のユーロ欧州選手権出場国が決定し、現地観戦も含め楽しみに待つ日本のファンも多くいるだろう。しかし、今から80年近く前にあった、ユーロ選手権の前身ともいえる「インターナショナル杯」について覚えている人間は少ないのではないか。インターナショナル杯は、欧州の代表チームにとって最初に創設された国際大会だった。

 もちろん近代五輪は既にあったわけだが、欧州圏における純粋なサッカー競技のための大会として同杯は1927年に産声を上げた。
 第1次大戦の傷を癒しながら、オーストリア、スイス、チェコスロバキア(当時)、イタリア、ハンガリーの5か国によって5回の大会がホーム&アウェイ方式によって断続的に開催された。最後となった第6回大会にはユーゴスラビア(当時)も参加国に名を連ねた。第1回、第3回で優勝したイタリア代表は伝説的FWメアッツァを擁していた。
 インターナショナル杯は、60年大会を最後にその役目を終えた。そして数ヶ月もしないうちに、現在までつづく、より本格的で大規模な欧州選手権がスタートするのである。