マンチェスター・シティのスベン・ゴラン・エリクソン監督は、17日のロシア戦に敗れユーロ2008予選の自力突破が消滅したイングランド代表について、「周囲の期待が高すぎる」とコメント。解任の噂が強まるスティーブ・マクラーレン監督に同情を示した。

 2006年ドイツ・ワールドカップ終了後にイングランド代表監督を退任したエリクソン。その後は現場から離れていたスウェーデン人監督だったが、今夏マンチェスター・シティの監督に就任すると、現時点でプレミアリーグの3位につけるなど、見事な復活劇を見せている。そんなエリクソンは、自身の監督時代にアシスタントを務め、現在はユーロ2008予選で苦戦を強いられているマクラーレンにエールを送りながら、実力を過信するファンや専門家に対する厳しい見方を示した。

「イングランド代表とはもう何の関係もないし、彼らについて私が話すことは何も無い。しかし、スティーブには監督を続けてもらいたいと思っている。まだ予選突破の可能性は残されている。イングランドのようなサッカー大国こそ、本大会の進むべきなんだ。ユーロ2008でイングランドの姿が無ければ、世界中のサッカーファンが悲しむだろう。しかし、イングランドでは期待の大きさが度を越している。他の国とは比べ物にならない。時には危険でもある。一定レベル以下のチームと対戦する際、イングランドのファンや専門家は簡単に勝てると決め付けてしまう傾向にある。しかし、それは間違いだ。試合に勝つには、最大限の準備と少しの運が必要なんだ。ロシア戦では、その運が欠けていたように思う」

 その重責の大きさから、“インポッシブル・ジョブ(不可能な仕事)”とも呼ばれるイングランド代表監督。現監督のマクラーレンを擁護するエリクソンだが、「選手全員を入れ替える訳にはいかないし、代表ではクラブのように会長をクビにすることも出来ない。槍玉に挙がるのは監督。それはいつの時代も同じことだ」と代表監督の厳しさを語った。前監督の支持を受けたマクラーレンだが、その座を離れない限り、厳しい批判に晒され続けることは間違いない。