17日にユーロ2008予選のリトアニア戦を迎えるフランスだが、FWアネルカの故障を受け、カリム・ベンゼマ(リヨン)が初スタメンで起用される可能性が高まっている。

 今シーズン開幕からリーグ・アン10試合で10得点、先日のフェロー諸島戦でも後半からの出場で2得点をあげ、波に乗るベンゼマ。2006年の「フランス・フットボール」新人賞に選ばれた当初から「ジダン以来の天才」と騒がれた逸材で、周囲の期待はすでに高かったが、昨シーズンまではリヨンでも控えの切り札的存在だった。それが今シーズンは堂々たるエースの風格を身に付けつつある。

 一方、代表での出場はこれまで5試合とも途中出場だが、3得点と結果を出している。レキップ紙によると、その躍動感あふれるプレーには、「才能があり、頭がよく、結果を出す選手。前への突進や創造性でチームに多くをもたらす。リトアニア戦には彼が必要だ。サッカーに年齢は関係ない(マケレレ)」、「非常に偉大なフォワード。まだ19歳だが、とても成熟している。先発を考えるのは当然のこと(テュラム)」と15〜6歳も年上の大ベテランが舌を巻き、先発起用を後押しする。

 ベンゼマ先発を待ち望むファンからの声も大きい。サッカー専門サイト「フットボール365」のアンケートによると、回答を寄せた1万3408人のうち、75.6%が「ベンゼマを先発で起用すべき」と答えている。

 残るはドメネク監督の選択だが、フェロー諸島戦で見せたアンリとの絶妙なコンビネーションには強烈な印象を受けたはずだ。ドメネク監督はベンゼマの存在を、論議を呼んだ“トレゼゲ外し”を正当化する根拠のひとつと考えているだけに、19歳の若者に勝運を賭けてくる可能性は少なくないと見られる。