「プチ整形」でも血管塞栓など起こすことも 美容整形後遺症に悩まされないための「信頼できる医師との出会い方」

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美容整形への興味と恐怖

ミドフォーに差し掛かった筆者が若返り、あわよくば不老不死を目指す本連載では、これまで西洋医学にとらわれないさまざまな施術や美容法を取り上げてきた。想像以上の効果を体感できるものばかりだったが、正直に白状すると、その後いずれも継続できていないのが実状だ。気分屋な性格と変則的な仕事のせいで定期的に通うのが難しい、という言い訳でご勘弁願いたい。

そうなると頭をもたげてくるのは、「継続の努力無しにすぐに効果が現れる美容法はないものか」という煩悩だ。ちょうどオカルト仲間から「角は真顔は若いけど笑顔がババア」などと心無い言葉をぶつけられたこともあって、一気に変身して見返してやろうという思いも湧き上がっていた。

そんな心理状態を見透かすように、私のTikTokには、「1時間で10歳若見え」とか「一発でほうれい線が消える」などといった美容整形の実践動画が高頻度で再生されるようになっていた。

糸リフトやボトックス注射はやったことがある。しかしそれ以上の、メスを使った大掛かりな外科手術は未経験。正直、工事をしたい箇所はたくさんあるのだが、恐怖心から二の足を踏んでいた。

私に恐怖心を植え付けたのはおそらく、幼少期に見た『笑ゥせぇるすまん』の「プラットホームの女」だ。美人女性の仮面が剥がれ、その下から整形失敗によるゾンビのような顔が現れる話である。

また、5年ほど前にSNSで拡散した中国人女優の写真も衝撃だった。鼻を細くする外科手術を受けたところ、鼻先が黒く壊死してしまったのだ。顔の筋膜を引き上げる美容外科手術「フェイスリフト」を受け、右眉が上がらなくなってしまったという50代女性に取材で話を聞いたこともある。

少なくない「直美(ちょくび)」のケース

興味と恐怖心のはざまでネットサーフィンを続けるうち、「美容整形後遺症」なる言葉と、それに悩む患者を救い続けている医師がいることを知り、会いに行った。

「私の外来にかかる患者さんに限った話になりますが、コロナ前と比べ、美容整形後遺症に悩む方は5倍ほどに増えています。年齢層は10代から高齢者までさまざまです」

そう語るのは、美容医師の朝日林太郎氏だ。外科手術による皮膚の引きつりや欠損、脂肪吸引後の痺れといったものだけでなく、ヒアルロン酸注射や今流行りの肌育注射など「プチ整形」といわれる施術でも、血管塞栓などの後遺症が起きてしまうことがあるというから恐ろしい。

後遺症に悩み朝日氏のもとへ駆け込む患者さんには、ある特徴があるという。

「担当医が『直美』(医師免許取得後、専門研修を受けることなく、美容外科に進んだ医師)である患者さんが少なくありません。直美でも技術の優れた先生は多いのですが、美容以外の経験がない場合、イレギュラーな事態が起きたときに対応できないこともある。

『様子を見ましょう』などと言われて放置し、症状が悪化してしまう人も少なくありません。担当医が対処してくれない場合は、できるだけ早く直美ではない美容医師にセカンドオピニオンを仰ぐことが大切です」

整形の内容も吟味すべし

とはいえ、医師の出身大学やネットの評判も鵜呑みにしてはいけないという。

「偏差値の高い大学の医学部を出ていて理論はしっかりしていても、美容医師として必須の空間把握能力がマズい人もいる。またネットの評判は、サクラに書かせているクリニックも多いですし、ライバル同士でネガティブレビュー合戦をしている場合もあります。結局、家からアクセスしやすいクリニックのなかから、親身になって診察してくれるところを選ぶべきです」

さらに朝日氏は、美容整形の内容についてもリスクを吟味すべきだと話す。

「骨を削るものや鼻を高くするものなど、大掛かりで不可逆的な外科手術は慎重になったほうがいいでしょう。また、症例が確立していない新興の施術はできるだけ避け、安全性が確立されたものに限定することで、リスクはかなり低減できるはずです」

最後に、私のポケットマネーでもできそうなアンチエイジングメニューを提案してもらった。

「40代であれば、高周波を月1回、糸リフトを半年に1回続けていれば、60歳になったときに10歳は若く見えるはず。費用は年間で100万円未満におさまるでしょう」

酒とタバコをやめれば捻出できなくもなさそうだが……。結局、美容は一日にしてならずということか。

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角由紀子(すみ・ゆきこ)/'82年生まれのオカルト系編集者。上智大中退。不思議系ウェブサイト『TOCANA』元編集長。YouTubeチャンネル『角由紀子のヤバイ帝国』は登録者数約48万人。著書『引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話』(扶桑社)が大ヒット中

「週刊現代」2026年10月12日号より

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