「リコピン」の過剰摂取で現れる3つの症状はご存じですか?管理栄養士が解説!
リコピンの過剰摂取による柑皮症などの注意点と、油との組み合わせや加熱調理など効率的な摂取方法を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「リコピン」がトマトより多い”2つの食品”はご存じですか?注意点も管理栄養士が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)
短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。
「リコピン」とは?

リコピンはカロテノイドの一種で赤色の天然色素です。トマトやスイカ、グァバなど赤色の野菜や果物に含まれています。これらの食品では、熟すほどリコピンの量が増えることが知られています。リコピンはβ-カロテンのように体内でビタミンAに変化しないことから栄養学的な研究が限られていましたが、近年ではカロテノイド、中でもリコピンの強い抗酸化作用に注目が集まり、健康維持との関係について多くの研究報告が行われています。
リコピンの一日の摂取量

リコピンの一日の摂取量に明確な基準は定められていませんが、研究や商品文献などで10~15mg/日程度を目安に摂取することで日々の健康づくりに役立つと考えられています。これはLサイズトマト2個分、またはトマトジュース150mlに相当します。
リコピンを過剰摂取すると現れる症状

柑皮症
リコピンを過剰摂取すると、皮膚(特に手のひらや足の裏)が黄色く変色する「柑皮症」と呼ばれる現象が起こることがあります。これは体内の余分なカロテノイドが皮膚の角質層や皮下脂肪に蓄積されることで生じます。健康上の深刻な問題に直結することは稀で、多くの場合原因となっている食品の摂取を控えることで皮膚の色は自然に元に戻ります。症状が改善しない場合は医療機関に相談しましょう。
消化器の不調
一部の人では過剰摂取によりお腹がゆるくなったり、腹痛などの消化器症状がみられることがあります。個人差が大きく、また明確な原因は特定されていません。
栄養素バランスへの影響
リコピンを多く含む特定の食品やサプリメントに偏って大量に摂取すると、食事全体のバランスが崩れる可能性があります。例えば、トマトジュースやサプリメントばかりに頼ることで、ほかの食品から摂るべきたんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの摂取が不足するおそれがあります。通常の食事の範囲でリコピンを含む食品を摂取する場合、過度に心配する必要はありません。
リコピンの効率的な摂取方法

油と一緒に摂取する
リコピンは脂溶性のため、油と一緒に摂取することで吸収率が高まります。トマトにオリーブオイルを組み合わせるイタリア料理は、効率的な摂取方法の一例です。
加熱調理する
トマトをはじめとする野菜や果物などの植物には、固い細胞壁があります。リコピンは細胞壁の中にある栄養素のため、加熱や粉砕により細胞壁を壊すことで吸収率が高まります。またリコピンはトマトの皮部分に多く含まれているため、皮を剥かずに丸ごと食べることがおすすめです。
朝食時に摂取する
リコピンの吸収に関する研究では、朝に摂取した場合に効率よく摂取できる可能性が示されています。ただし個人差があるため、無理なく続けられるタイミングで摂取することが大切です。
「リコピンが多い食品」についてよくある質問

ここまでリコピンなどを紹介しました。ここでは「リコピンが多い食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
リコピンが多い食品は何でしょうか?
中岡 紀恵(管理栄養士)
トマト・トマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどが代表的です。生のトマトよりも加工品の方がリコピンを多く含み、吸収しやすいことが知られています。
トマトのほか、すいか、金時人参、ピンクグレープフルーツ、グァバ、柿など赤色の果物・野菜に含まれています。いちご、りんご、さくらんぼなども赤色の果物ですが、主な色素はリコピンではなく、アントシアニンなどのポリフェノール類です。リコピンを効率よく摂取したい場合は、トマトやトマト加工品、スイカ、ピンクグレープフルーツ、グァバなどを選ぶとよいでしょう。リコピンは生のトマトよりも加工品のほうが多く含まれており、さらに吸収しやすいことが知られています。また、完熟トマトのほうがリコピン含有量が多い傾向にあります。
生のトマトとトマトジュースではどちらがリコピンを効率的に摂取できますか?
中岡 紀恵(管理栄養士)
トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。1日200ml程度を目安に摂取するとよいとされています。
生のトマトとトマトジュースでは、トマトジュースの方がリコピンを効率的に摂取できると考えられています。トマトを加熱・加工することで細胞が破壊され、リコピンが体内で吸収しやすい形になるためです。なおリコピンの働きを十分に得るためには、1日200ml程度のトマトジュース(リコピン含有量15~20mg相当)を目安に摂取するとよいとされています。
編集部まとめ
リコピンは日々の食生活の中で取り入れやすく、健康維持に役立つ可能性があるとして研究が進められています。一度に大量に摂取するよりも、普段の食事の中で適量を継続的に取り入れることがポイントです。トマトをはじめ、さまざまな野菜や果物に含まれているため、毎日の食事に無理なく取り入れてみましょう。特定の食品に偏らず、バランスよい食事を心がけることも健康づくりには大切です。
「リコピン」と関連する病気
「リコピン」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
皮膚科の病気
柑皮症
「リコピン」と関連する症状
「リコピン」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
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紫外線による肌の赤み
色素沈着
シミ参考文献
生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システム Webサイト
生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|厚生労働省
トマトまるごと まるわかり!|農林水産省
Top 10 Foods Highest in Lycopene

