【闘病】24時間やまない胃痛が『膵臓がん』 術後に肝転移「つらい、痛い、怖い」

福岡さんは、24時間やむことのない胃痛をきっかけに医療機関を受診し、2025年11月に膵臓がんと宣告されました。2026年2月に手術を受けたものの、術後に肝転移が見つかり、現在は抗がん剤治療と温熱療法(がん組織に熱を与えて、がん細胞にダメージを与えたり、ほかの治療の効果を高めたりすることを目指す治療法)を続けています。福岡さんに発覚から診断、治療、現在に至るまでの経緯を聞きました。

※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2026年8月取材。

体験者プロフィール:
福岡 潔さん

1976年生まれ、東京都在住。会社経営者。2025年11月に膵臓がんが判明し、2026年2月に手術を受ける。同年7月に肝転移が見つかり、現在は抗がん剤治療と温熱療法を併用して治療中。

急な胃痛の原因は「膵臓がん」だった

編集部

体に異変を感じたのはいつごろでしたか?

福岡さん

最初に医療機関を受診する1週間前から、胃の辺りが急に痛くなりました。痛みには強弱がなく、24時間ずっと続きました。

編集部

膵臓がんと告げられたときの心境を教えてください。

福岡さん

絶望しました。膵臓がんには怖いイメージがあったので、「よりによって膵臓がんなのかよ」と思いましたね。

編集部

医師からはどのような説明がありましたか?

福岡さん

最初に受診したクリニックでも、その後の大きな病院でも、医師から「がんが主要血管に及んでいないので、手術で切除できる可能性が高い」と言われて、少しほっとしました。

絶望と苦しさの毎日

編集部

肝転移は、いつ判明したのでしょうか?

福岡さん

手術前も手術後も、「転移はない」と言われていましたが、2026年7月、術後の抗がん剤治療中に受けた血液検査で腫瘍マーカー(がんがあると血液中で増えることがある物質)の値が上がっていたので、念のためにCTを撮ったところ、肝転移が発覚しました。肝転移については、まったく自覚症状はありません。

編集部

どのような治療を受けましたか?

福岡さん

手術は、膵頭十二指腸切除術(膵臓の頭部と十二指腸などをまとめて切除する手術)でした。現在は抗がん剤治療に加えて、温熱療法(保険適用)も受けています。

編集部

治療による副作用はありましたか?

福岡さん

抗がん剤の副作用で、食欲減退や高熱、脱毛の症状があります。さらに、両足に赤い斑点が出たり、両腕にじんましんが出たりしています(※)。

※治療の内容や副作用の表れ方には個人差があります

抗がん剤の副作用で髪が抜け始めたころ(2026年8月)

その翌日

さらに翌日

編集部

現在の体調はいかがですか?

福岡さん

副作用で非常に体調が悪く、毎日つらい状態が続いています。

編集部

精神的、肉体的に最も苦しかったことを教えてください。

福岡さん

精神的な面では、かなり難しい手術を受けることへの恐怖と、「5年生存率20%以下」(※)という数値を知ったことで、絶望的な気持ちになりました。肉体的な面では、傷口の痛みや運動能力の著しい低下、抗がん剤による高熱など、一つに絞れないほど苦しいことだらけです。

※福岡さんが当時知った数値です。生存率は病期(ステージ)や個人の状態によって異なります

編集部

福岡さんにとって、生きる力とは何ですか?

福岡さん

私を心配して応援してくれる人が大勢いることが、つらい治療の励みになり、生きる力となっています。周りにいる友人や仕事で知り合ったお客さまなど、本当にたくさんの人から声をかけてもらいました。

闘病の経験が未来の患者さんのためになるように

編集部

これからの目標を教えてください。

福岡さん

「日常を取り戻すこと」と「人と接する仕事が好きなので少しでも働けるようになること」、そして「長期の旅行に行くこと」が今後の目標です。

編集部

医療従事者に期待することはありますか?

福岡さん

今まで、入院とはまったく無縁の人生でした。初めての長期入院や定期的な通院中に医療従事者の仕事ぶりを見て、尊くて素晴らしい職業であると思いました。特に看護師さんは、待遇面でもっと報われてほしいと個人的に感じています。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

福岡さん

2025年11月に膵臓がんが発覚してから、絶望と恐怖の日々が続いています。抗がん剤治療でもつらい思いをしています。肝転移まで見つかり、もう何だかいいことがまったくありません。こんな状況で前向きになれるわけがありません。だからこそ正直に、「つらい、痛い、怖い」と周りに言うことにしました。強がりは、周りの人に結局ばれてしまいます。なかなか前向きにはなれませんが、生きることは諦めません。治療も積極的にいろいろと試します。
残り少ない人生かもしれませんが、試した治療や闘病の経験が未来に続き、大きな不安を抱える患者さんの糧になればと思います。

編集後記

「なかなか前向きにはなれませんが、生きることは諦めません」。福岡さんは、過酷な体験と葛藤(かっとう)を包み隠さず語ってくれました。その背景には、闘病の経験を未来の患者さんに役立てたいという思いがあります。つらいときは強がらず、「つらい、痛い、怖い」と正直な気持ちを周りに伝えてみてください。

本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。

なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

記事監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。