【キオクシア株】「株価11万円」の高値から“5万円台”に半減! 友人は「今が拾いどき」と言いますが、目標株価“12万6000円”と強気な数字…株価上昇の保証でなくても、本当に買いですか?
目標株価とは?
目標株価とは、証券会社に所属するアナリストが、企業の業績や成長性などを分析したうえで、一定期間先に妥当と考えられる株価水準を示した数字です。
多くの場合、「買い」や「売り」といった投資判断とあわせて公表され、対象企業の決算内容や市場環境の変化に応じて随時見直されます。
投資家の間では、目標株価が現在の株価を上回っていれば「割安」、下回っていれば「割高」と受け止められる傾向があり、目標株価やレーティングが見直されると、それをきっかけに株価が反応して動くこともあります。
しかし、この数字はあくまで証券会社が算出した見立てであり、企業や国が到達を保証しているものではありません。
また、同じ銘柄であっても、証券会社によって前提とする業績予想が異なれば、目標株価の水準も変わります。目標株価という結論の数字だけでなく、その根拠となった業績予想や市場環境の分析もあわせて確認しておくことが大切です。
野村証券が目標株価を12万6000円まで引き上げた理由
野村証券は2026年7月16日、キオクシアの株を「買い」とする判断を続けたまま、目標株価を12万6000円に引き上げました。
目標株価は、2026年4月の時点では5万1000円だったので、わずか3ヶ月ほどで2倍以上に上がったことになります。
引き上げの理由は、NAND型フラッシュメモリという半導体メモリの人気が高まっていることです。NAND型フラッシュメモリは、写真やデータを保存できる部品で、AI向けのデータセンターで使われています。
この部品の値段が、予想以上に上がっており、こうした需要や価格の変化に応じて、証券会社は目標株価を随時見直します。そして、野村證券では、12万6000円という目標株価を、9月8日付で13万1000円に引上げています。
目標株価が高くても、必ずしも株価上昇が保証されない理由
野村証券が目標株価を12万6000円に引き上げた翌日の2026年7月17日、キオクシアの株価は値幅制限の下限まで売られるストップ安となりました。
株価急落の背景には、米国の裁判所がキオクシアに対し他社の特許を侵害したとして約370億円の支払いを命じたことや、半導体関連株全体への売りが重なったことが考えられます。
この日の終値は5万2110円となり、6月22日に付けた上場来高値11万2700円の半分以下まで落ち込み、時価総額は約33兆円が失われた計算となります。
2026年9月時点では、キオクシアの株価は上場来高値の半分程度である5万円台で推移しています。このように、個別の事情や市場全体の地合いによって、実際の株価は目標株価を大きく下回ったまま推移することもあるのです。
まとめ
目標株価に比べて現在の株価が低いという理由だけで、「買いどき」と判断するのは早計です。乖離(かいり)が大きいときほど、目標株価の根拠と、実際に株価を動かしている要因の両方を理解しておくことが欠かせません。
「拾いどき」という言葉をそのまま信じるのではなく、両方の背景を踏まえたうえで購入を判断することが大切です。
執筆者 : 竹下ひとみ
FP2級、日商簿記2級、宅地建物取引士、証券外務員1種

