「球団から泣きつかれ、責任を…」 広島・新井監督“まさかの続投”の真相 現場を知らないオーナーの“耳を疑うような発言”とは
広島・新井貴浩監督が来季も続投することが今月22日に発表された。が、チーム再建への道は険しい。所属していた羽月隆太郎氏が通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物を使用し、医薬品医療機器法違反の容疑で1月に逮捕されて契約解除に。さらに、羽月氏に薬物を譲渡したなどとして逮捕・起訴された会社役員と共に小園海斗、矢野雅哉、田村俊介各選手が写る写真が7月に「SmartFLASH」(週刊誌「FLASH」のウェブ版)で掲載された。ファンの不信感が高まる中、矢野や小園ら主力選手を来季の戦力構想から外す可能性があり、激動のオフになりそうだ。
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「監督が気の毒」
広島を取材するスポーツ紙記者は、「新井監督が気の毒です」と漏らす。

「グラウンド外の騒動に振り回され、野球に集中できる環境ではなかった。下位に低迷したこともあり、球団に何度も今年限りで辞任したい意向を伝えたが、フロント幹部に慰留されたそうです。今の広島の状況を考えると、監督を引き受ける人材がなかなか見つからない。言わば、球団から泣きつかれた格好でした。新井監督は責任を感じて続投を決めましたが、さらに心身が疲弊しないか心配です」
コンプラ意識が低い
マツダスタジアムには空席が目立ち、ファンの心がすっかり離れてしまっている。それは低迷期が続いていることだけが原因ではないだろう。
羽月氏は5月、SNS上で「自分を含めて6人のチームメイトが(禁止薬物を)購入していた」と証言。そして、前述のように7月、矢野が売人と密室で寝るツーショット写真が報道され、無期限の3軍降格に。さらに、矢野と前川誠太内野手の自宅などが広島県警の捜索を受けた。
一方、小園は会社役員と肩を組んで写った写真が掲載されたにもかかわらず、球団からなにも説明がなく1軍でプレーし続け、ファンの不信感を高めた。小園の耳にも当然、批判的な声は入っていただろう。精神的に影響を受けたかは分からないが、守備のミスが目立つようになり、8月中旬に登録抹消された。
「企業としてのコンプライアンス意識が非常に低いと言わざるを得ません。矢野、小園がゾンビたばこの売人である会社役員と共に写真に写っていたことは、健全でない交際を連想させてしまう。最初に報道が出た時点で、記者会見を開いて身の潔白を証明するか、それが出来ないのなら無期限の登録抹消にするべきでした」(コンサルティング会社の役員)
9月に行われた公判では、会社役員が羽月氏以外への違法薬物の売買を否定。しかし、これを受けてもなおカープは報道について説明を行わないままだ。25日には、矢野と前川が書類送検された。写真を掲載された選手たちへの疑惑がくすぶり続けている理由である。
変化したチームの雰囲気
広島OBは新井監督の続投報道で、目を疑う内容があったとして、次のように言う。
「松田元オーナーが新井監督に対し、『就任1、2年目の雰囲気を思い出してほしい。はつらつとコミュニケーションを取っていることが周りにもわかるようにしてくれれば』と激励を飛ばしたという記事を見ました。この報道が事実なら、あまりにピントがずれています。今年は春季キャンプ前からグラウンド外の騒動で振り回されていたにもかかわらず、選手たちとはつらつとコミュニケーションを取っているほうが不自然です。新井監督が選手と距離を置く今のスタイルになったのは理由があります。球団のトップがこの事情を理解していないとしたら、状況は非常に深刻です」
新井監督が就任したのは23年。この年は貯金9で2位と5年ぶりのAクラスに躍進した。選手と距離が近く積極的にコミュニケーションを取る姿が日常の風景だった。ベンチで喜怒哀楽を前面に出し、勝利の際は誰よりも早くベンチを飛び出して喜びを爆発させる。活気に満ちあふれていたが、チームは成長曲線を描けなかった。翌24年は夏場以降に失速して借金2で4位に。新井監督はチーム内の緩みを感じたという。球団関係者が明かす。
「試合に出るようになった選手の態度が横柄になり、負けている試合中も笑顔を見せるなど緊張感が薄れていました。新井監督は首脳陣、選手、スタッフたちを『家族』と呼んでいましたが、育成と勝利を両立するためには厳しさが足りないと感じたのでしょう。就任3年目以降は選手と距離を取るようになり、緊張感が生まれました」
記者会見が必要
チーム内の体質改善に取り組んだわけだが、すぐに結果に出るほど甘い世界ではない。昨年は借金20で5位に低迷。今年も最下位に沈み、3年連続でCS進出の可能性が完全消滅した。
「来年のことを考えた時に、戦力として考えれば矢野と小園は必要かもしれませんが、グラウンド外の行動でイメージが失墜したので1軍で起用してファンの信頼を取り戻せるとは思えない。若手を育てると共に、ドラフトやトレードで彼らが守っていた二遊間の補強に重点を置くことになるのでは」(スポーツ紙デスク)
一連の報道に加え、書類送検された矢野は他球団とトレードが成立するイメージがわかないが、小園の場合は状況が異なる。在京球団の元編成部長は「トレードとなれば応じる球団はあると思います。昨年に首位打者を獲得し、今年は開幕前に侍ジャパンでWBCに出場するなど実力は申し分ない。ただ、誤解を解くためにも記者会見は必要だと思いますけどね」と指摘する。
新井監督にチーム再建の責任を背負わせるのは酷だ。フロントと現場が一体となってチーム改革に乗り出さなければ、状況は好転しない。シーズンはまだ試合が残っている。応援してくれるファンのためにも、変わった姿を見られるか。来季に向けての戦いはすでに始まっている。
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デイリー新潮編集部
