面接や詐欺で……はびこる“AI悪用”、見分けるには “ブラピ”なりすましロマンス詐欺も ニセ警察に?【なるほどッ!】
AI技術の発展により、詐欺の手法も多様化しています。特殊詐欺が増加傾向にある中、警察官や俳優になりすました詐欺が確認されています。他にも会社の面接で偽装するなど、AIを悪用するケースが相次いでいます。専門家にAIを見分ける方法を聞きました。
■警察官をかたる人物からニセ電話

愛知県警をかたる人物
「愛知県警・生活安全課のサトウと申します。事件と聞いて心当たりありますか?」
女性
「いいえ、まったくないです」
直川貴博アナウンサー
「関西在住の30代女性の携帯電話にかかってきたのは、警察を装ったニセ電話でした。資金洗浄事件の捜査の過程で、女性名義のキャッシュカードを押収し、女性の口座から詐欺の被害金が見つかったことから出頭を求めるという内容でした」
「女性が出頭を拒否すると、ビデオ通話アプリで『私の方から身分の開示を行わせていただきたいと思います。愛知県警察本部刑事部捜査2課、警部の井上泰成といいます。確認のほうしっかりとお願いします。(偽の手帳は)見えますかね』と話しました」
「別の警察官を名乗る人物が画面に登場し、偽の警察手帳を示しました。女性側にも身分証を見せるよう執ように求めてきたことから、女性側が怪しんで、途中で電話を切ったということです」
「その結果、お金をだまし取られるなどの被害には遭わずにすみました。この人物らは、AI を使って別人になりすましていた疑いがあるといいます」
■特殊詐欺の被害、1日あたり10億円

直川キャスター
「警察庁によると、このような特殊詐欺は年々増加傾向にあります。今年の上半期の認知件数は約2万2000件でした。被害額は去年の上半期から618億円ほど増え、約1816.2億円となっています。1日あたりでは、被害額は約10億円となっています」
「AIを使ったものが増えているかはわからないそうですが、AI を悪用したと思われるものもあるので、私たちも情報をアップデートして気をつけていきたいです」
■有名俳優になりすますロマンス詐欺

直川キャスター
「AIを使った詐欺では、俳優のブラッド・ピットさんになりすました人物に、フランス人の50代の女性がお金をだまし取られたというロマンス詐欺も起きています」
「2人が特別な関係にあると報じるAI作成のニュース動画を送ったり、『今度会いに行く』と話すAI 動画を送ったりして、女性を信じ込ませたということです。被害総額は、1人で83万ユーロ。日本円に換算すると、当時の価値で約1億3000万円に上りました」
■面接を受けに来た人物「ご自身が…」

直川キャスター
「また、最近では詐欺ではありませんが、『会社の面接に来た人がAIだったのでは?』というケースも確認されました。実際の面接時の映像があります」
面接を受けに来た人物
「これまで約9年間、ウェブシステムの開発に携わってきまして、前職ではグローバルな AI プロダクトの開発に携わり…」
KOWRO(コヲロ)原田祐二代表
「ちょっといいですか。しゃべってもいいですか」
面接を受けに来た人物
「はい、どうぞ。なにかご質問でしょうか」
直川キャスター
「東京都内にある、AIを活用したエンタメ事業を展開する会社の中途採用でのオンライン面接の様子です。面接官である原田代表は怪しむような表情を見せています」
原田代表
「AIか何かでしゃべらせているように聞こえるんですけど」
面接を受けに来た人物
「いいえ、AIは使っていません。ご自身が直接お話ししています」
直川キャスター
「違和感がありますよね。AIと思われる相手を面接した原田代表によると、またいくつかの違和感がこの面接であったそうです」
■AIでは?…会社代表が抱いた違和感

直川キャスター
「接続不良で向こうの音声が聞こえず、調整してから再開したそうです。トラブルがあったら、『今聞こえていますか?』『ネットの状況大丈夫ですか?』といった確認があるはずですが、何事もなかったように、『はじめまして』から始まったといいます」
「次に、この会社名はコヲロと読みますが、AIと思われる相手は『COLO(シーオーエルオー)さんは』と言っていました。なかなか志望して面接を受ける会社名は間違えないですよね。そこにも違和感がありました」
「他にも口の動きが合っていない、タイムラグがありすぎるんじゃないかなど、小さい違和感が増えていき、面接を中断したといいます」
「この会社はフルリモートでの勤務です。もし採用してどんな人物かわからないまま働かせ、情報などが抜き取られていたら危険だった、と話していました」
■専門家に聞く…AIを見分ける方法

直川キャスター
「AIが本当に身近になっています。私たちはどうしたらいいのか、ITジャーナリストの三上洋さんによると、AI技術の発展により詐欺の手法も多様化していて、偽装という形ではあらゆるところでAIが利用されるようになってきているといいます」
「ただ、見分ける方法があります。リアルタイムでテレビ電話をしている場合、『最近AIのケースもあるのでチェックさせてください』と断った上でやってもらうといいことがあるそうです」
「まず、顔の前に手を持ってきてもらうということです。テレビ電話のAIは、生身の人間が話している時の目や口、顔の傾きという重要な部分だけを検出し、AIのアニメーションに変えるという手法を使っていることが多いそうです」
「そのため、手を顔で一度遮ってもらうと検出ができなくなり、AIの動きが止まってしまいます。同様の理由で、顔を横向きにしてもらう、顔を画面から外してもらうというやり方も有効だそうです」
「AIが身近になってきたからこそ、私たちもアップデートしないといけないかもしれません」
鈴江奈々アナウンサー
「AIがどういった技術を使ってできているのかを知った上で、こういう対策があると思います。技術の知識を増やしていくことも大事ですね」
直川キャスター
「話している時のAIの特徴を押さえることも重要です。言い回しがおかしい、目がうつろ、口の動き合っていないなど、こういうことが一度あれば、立ち止まって考えてみることが大切です」
