【解説】印旛沼の堤防決壊 自治体は“決壊”情報どう把握? 「いつ決壊したのか」現在のところ不明
印旛沼の堤防が決壊したのは「初めて」ということですが、では、この決壊について県や市はどのように把握していたのでしょうか。小栗泉・日本テレビ特別解説委員が解説します。
■“用水路の堤防が崩れている”など消防から通報も

改めて、印旛沼の決壊した部分は千葉県の成田市に位置しています。23日に関係各所に取材しましたが「印旛沼がいつ、決壊したのか」は現在のところ不明、わかっていないということです。
ただ、台風25号が千葉県に最も接近していた21日夜の段階で、印旛沼を管理する千葉県の河川環境課が水位の上昇を把握していて、「印旛沼の水位が計画高水位に到達した」つまり“氾濫のおそれが高まっている”という情報を午後8時40分に成田市などに対しメールで共有したといいます。
その後、22日の午前1時台に消防から成田市に対して、「印旛沼から続く用水路の堤防が30メートルほど崩れている」などと通報があり、市でも決壊を把握したということです。
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--その時点での周辺住民への呼びかけは行われたのでしょうか?
はい。成田市でも決壊の前から印旛沼の水位の監視はしていて、水位の上昇を受けて、周辺の住民などに防災無線などで周知はしたということでした。
ただ、越水や決壊については「想定していなかった」ということで、避難指示は21日の夕方に出された「警戒レベル4避難指示」は土砂災害を理由としたもので、浸水を想定した避難指示は出さなかったということです。また、決壊を把握したあとも浸水を想定した避難指示や緊急安全確保は出されておらず、その理由は「現在調査中」だとしています。
■当時「決壊の情報」得ることはできた?

では、周辺にいた人は決壊の情報を得ることはできたのか。23日、「news zero」は当時の状況について話を聞きました。
近隣で働く人「(自治体などから)情報は入っていなくて、自分の予想ではこの量降ったらやばいかなと思っていたが、決壊するとまでは思っていなかった」
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--危なそうだという情報を、住民のみなさんが自分で調べれば得ることはできたのでしょうか?
「news zero」も豪雨の際によく利用する気象庁のサイト、川の氾濫についての危険度がどの程度高まっているかを示す「洪水キキクル」を見てみますと、印旛沼に流れ込む河川は色分けで表示されていますが、印旛沼そのものの危険度は表示されないんです。
また、浸水についての危険度がどの程度高まっているかを示す浸水キキクルも、雨の量などから浸水の危険度を計算して示しているため、沼の実際の水位まで考慮しているわけではありません。
このように、キキクルだけで「印旛沼の水が上昇し堤防が決壊する危険性が高まっている」と直接判断することは難しいんです。
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--今回のような状況では危険度を見るのが難しかったということですね。
そうなんです。今回の印旛沼だけでなく、ため池や湖、遊水池、ダムなどの実際の水位や危険度はキキクルではわからないんです。
こうした地域にお住まいのみなさんは、国土交通省の「川の防災情報」で水位を把握できるケースがあります。印旛沼も「川の防災情報」で水位を確認できる場所があります。自治体が出す避難情報には従い、また、たとえ避難情報が出ていなくても、危険を感じたら自分の命は自分で守る行動が大切になります。
印旛沼を管理する水資源機構によりますと、排水は進めているものの、通常時の水位に戻るまでには、まだ数日かかる見込みだということです。
(9月23日放送『news zero』より)