英領フォークランド、アルゼンチンが領有権主張強める…トランプ氏の「見直している」発言が拍車

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 英領フォークランド諸島を巡り、南米アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が自国に領有権があるとの主張を強めている。

 英国は反発しており、両国間の緊張が高まっている。

 ミレイ政権は17日、アルゼンチン政府の許可を得ずに油田開発する企業に制裁を科す法案を国会に提出した。法案には「主権を侵害する行為への対応を強化する」と目的を明記した。

 同諸島沖では、英国とイスラエルの企業が油田の開発を計画。今後数か月以内に実際の工事が始まるとみられており、法案はこの油田開発を念頭に置いたとされる。

 ミレイ氏は3日、国民向けに演説し、同諸島は「歴史的にも法的にもアルゼンチン固有の領土であることに議論の余地はない」と強調。諸島の対岸の地域に軍事基地を建設する考えも示し、「アルゼンチンの地政学的な影響力を拡大する上で極めて重要な役割を果たす」と述べた。

 ミレイ氏が領有権の主張を強める背景には、自身が信奉するトランプ米大統領の発言がある。米国は従来、領有権の争いに中立の立場をとってきたが、トランプ氏は8月末、フォークランド諸島への立場を問われ、「見直している」と発言した。ミレイ氏は演説でこのトランプ氏の発言に触れ、「米国が方針転換を検討しているのは、西側の価値観に共鳴するアルゼンチンが、戦略的に重要なパートナーだと認識しているからだ」と自信を見せた。

 一方、英国はミレイ政権の主張に反論している。英政府は18日、「英国には自らの判断で諸島の天然資源を開発する権利がある」との声明を発表。開発企業へ制裁を科す法案は「法的根拠がなく、到底容認できない」と反発した。ロイター通信によると、英国とイスラエルの企業は「ミレイ氏の行動で油田開発が頓挫することはない」と開発を続ける構えだ。

 諸島を巡っては、サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3か国大会の準決勝で、イングランドと対戦したアルゼンチンの選手が「マルビナス(フォークランド)はアルゼンチンのもの」と書かれた横断幕を掲げ、国際サッカー連盟(FIFA)はアルゼンチン・サッカー協会に制裁金を科した。アルゼンチンの世論調査では、84%が横断幕を掲げたことを支持した。(リオデジャネイロ支局 南部さやか)

 ◆フォークランド諸島=南大西洋に浮かぶ大小約780の島から成り、人口は約3500人。英国が1833年に実効支配を始めた。領有を主張するアルゼンチンが1982年に侵攻して一時占領したが、英軍が反撃して奪回した。アルゼンチン側はスペイン語でマルビナス諸島と呼び、領有権を訴え続けている。