「シーパラがおかしくなった…」「どこを見てもマツケン!」常軌を逸した “マツケンまみれ”ぶりが大反響の八景島シーパラダイスに潜入

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首都圏を代表するテーマパーク、横浜・八景島シーパラダイスがおかしくなってしまった。 “過剰没入型エンターテインメント空間”というコンセプトのもと、エリアの大部分がマツケンに征服されているというのだ。

【画像】1700万表示! 世界初の「マツケンルーム」

 

アトラクション、水族館、ライブパフォーマンス、挙句はホテル部屋まで……。シーパラにいま何が起きてるのか。写真とともに現地をリポートする。

ネット民が目を疑った、シーパラのカオスなポスト

残暑どころか、夏真っ盛りという気温を記録した8月下旬のある日、ぼんやりとXを眺めていたら、なにやらカオスなポストがタイムラインに流れてきた。

「【居れ 居れ】マツケンルーム【世界初】」

暑さで頭がおかしくなってしまったのかと思った。目をこすってよくよく見ると、横浜・八景島シーパラダイス公式が発信するこのポストは1700万回(9月上旬時点)ものインプレッションを叩きだしている。おかしくなったのは筆者ではなく、シーパラだった。

どうやらこの“マツケンルーム”、園内にあるオフィシャルホテルホテル シーパラダイス イン」の一室をオールマツケン仕様にする企画で、9月8日から30日まで開催されるマツケン(松平健)とのコラボイベント「マツケンまみれまみれ島 秋の陣」の一環らしい。

ホテル部屋のみならず、イベント期間内はシーパラがマツケンに支配されるとのこと。やはり筆者も日々の生活の中で知らず知らず心を消耗していたのだろう、なんだか無性にマツケンにまみれたい気分となり、このイベント期間中にシーパラを訪問することを決めたのだった。

今年度は通常営業のほうが少ない!

9月某日の朝イチ、東京からシーパラへ。その道中で調べたところ、このマツケンコラボ企画はこの秋が初めてではなく、第1弾は今春4月17日~5月7日、GW特別企画「マツケンまみれゆうえんち」として開催されていた。

好評を受けて第2弾「マツケンまみれまみれ島 夏の陣」が実現。開催期間は7月18日~8月31日の予定だったが、これも人気を博してイベントを1週間延長(9月7日まで)。そして、夏の陣からシームレスで開幕したのが今回の秋の陣というわけだ。

「日本人、マツケン好きすぎだろ……」

今年度に入って通常営業、つまりマツケンにまみれてない日のほうが少なくなる計算。シーパラに何かが起きている。

“マツケンバス”がお出迎え

最寄り駅の八景島駅へと降り立つ。駅と駅前にマツケン色はない。島がまるごとテーマパークなのが売りのシーパラ。駅から島内に入るには八景大橋という100メートル超の橋を歩いて渡らなくてはいけない。橋上は遮るものがないため、海風が直に体を襲う。午後から荒れ模様との予報だったこの日は、風もひとしお強い。

そんな強風を切り裂いて現れたのが、マツケンだった。

正確にはマツケンにデコられた島内周遊バスだった。『草競馬』のメロディを鳴らしながら(そこは『マツケンサンバⅡ』じゃないんかい!)、来園者へここから先にカオスが待ち構えていることを告げている。

“過剰没入型エンターテインメント空間”の狙い

島に一歩足を踏み入れると、俄然マツケン色が強くなる。橋を渡り切ってすぐ見えてくる子供向けアトラクションエリア「プレジャーランド」は完全に上様の支配下。園内BGMは当然『マツケンサンバⅡ』(たまに『暴れん坊将軍 メインテーマ』や代表曲の『星空のハネムーン』『夢灯り』など)だ。

“過剰没入型エンターテインメント空間”なんて新語をつくってまでイベントを盛り上げようとするシーパラ。開業して33年、首都圏の大型水族館の中では老舗に分類されるだけに経営に行き詰ってるのかといえばそんなことはなく、当園の事業戦略・広報担当の長谷川拓さんいわく、「近年のマーケティングにおいて、SNSの拡散力は無視できません。松平健さんと『マツケンサンバⅡ』の明るさ、活力をお借りし、SNSで誰かに報告したくなるようなとにかくユニークな企画を目指しました」ということらしい。

シーパラがこれまでコラボしたのは『あつまれ どうぶつの森』や『スプラトゥーン3』『SPY×FAMILY』といった人気のゲーム・アニメコンテンツ。それがいきなりマツケンである。どんな企画会議だったのか見てみたかった。もしかしたらみんな徹夜明けだったのかもしれない。

さて、シーパラのメインコンテンツは水族館。もちろん、ここもマツケンにまみれている。中でも700種類、12万点の海の生物が飼育展示されるアクアミュージアムは特筆。「どこにいてもマツケン」「何をしてもマツケンサンバ」という極端な世界観が繰り広げられていた。

水槽を撮ろうとすると必ずマツケンがフレームインしてくる。これが流行りのぬい活か(絶対ちがう)。

気づけば頭の中で『マツケンサンバⅡ』(たまに『暴れん坊将軍』のテーマ)がエンドレスリピートされ、水槽をのぞき込むと「へー魚もいるじゃん!」とか本末転倒な感想がよぎるようになってきた。末期だ。

若いギャルがすれ違いざま、「もっとかわいいのとコラボしてほしかった~」と嘆く声が耳に入ってきたが、彼女はわかっていない。マツケンまみれだからこそ至れる境地があることを。

ついにマツケンルームに潜入! そこにあったのは…?

そういえば、筆者がこのイベントを知ったきっかけはマツケンルーム。どうせならこの目で見てみたい。前出の長谷川さんによると、「おかげさまで1日1組限定のこのお部屋(2名利用時1名あたり1万7435円~)は、予約開始日の翌日に完売となりました」というくらい大盛況。いったいどんな仕上がりなのか、無理を言って部屋に案内してもらった。

「オレ!(Ole!)」ポーズの三連マツケンが出迎える部屋のドアを開けると、そこにはやっぱりマツケンがいた。

部屋の壁紙、ベッドスロー、窓ガラス……そんなとこにいるはずもないのにマツケンはそこにいた。テーブルの上には写経まで用意してある。まったく落ち着かない。

ただ唯一、ユニットバスのみ通常運転。シャワータイム&用を足している瞬間のみ、マツケンから解放されるようだ。ここまできたら徹底してほしかった気がしなくもない。

最後のシメはコラボオムライス

その他、ライブパフォーマンスの「Animal Life Live!」や「スーパーイワシイリュージョン~輝く群れの奇跡~」も当たり前のようにマツケン仕様。

マツケンとは何なのか、俳優なのか、将軍なのか、それとも概念そのものなのか……。マツケンのゲシュタルト崩壊が起こり始めたので、コラボフード「オ~レ!黄金たまごのオムライス」を秒でかきこみ、逃げるように島を後にした。したたか雨の降る帰りの電車の中、頭の中ではやはり「マツケンサンバⅡ」(たまに『暴れん坊将軍』のテーマ)が流れていた。

第1弾となった春のマツケンコラボ企画は、昨年のGWが悪天候に見舞われたことから、最大12連休となる今年のGWこそ晴天を、という願いから生まれた“晴れ乞い”プロジェクト。結果、対象12日間のうち11日が晴天となった。さすが晴れ舞台が似合う男、マツケンだ。

秋の陣もシルバーウィークを晴れさせるためにマツケンがシーパラを支配した。東京は現在、9月16日まで21日連続で雨が降っており、台風25号も発生。連休中、列島に接近する予報だが、果たして……。

取材・文・撮影/武松佑季