ネイリストの女性が殺害された現場のアパートを調べる捜査員ら(1月1日、水戸市で)

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 水戸市のアパートで昨年大みそか、ネイリストの小松本遥さん(当時31歳)が殺害された事件の裁判裁判は17日、水戸地裁(有賀貞博裁判長)で被告人質問が行われた。

 殺人罪とストーカー規制法違反に問われた元交際相手の会社員、大内拓実被告(29)が、当時や現在の心境を詳細に語った。(古屋敷周、北川一葉)

 大内被告は2024年1月頃、水戸市内の飲食店で小松本さんと出会い、交際を始めた。被告にとって、初めての恋人だったが、同年12月頃には「仕事を優先したい。友人関係に戻りたい」と、LINEで一方的に別れを告げられた。了承はしたが、納得できず未練があったという。

 仕事に精を出して忘れようとしたが、恨む気持ちもあり、25年6月、少し話したいと連絡をしたが、無視され、何度も連絡をするうち、ブロックされた。不安になり、怒りに変わっていき、気持ちを切り替えられなかった。

 知人に連絡し、小松本さんの居場所を探すなど、自分の行動に異常を感じ、不眠や食欲不振に襲われた。自分がストーカーかもしれないと思い、職場を通じて臨床心理士に相談した。薬の処方と休職を勧められたが、薬には抵抗もあり、現実的ではなかった。

 その後、精神科を受診しようとしたが、予約を取れず、自暴自棄になっていった。「自分で何とかするしかない。原因を追究するしかない」と考えるようになり、怒りの矛先が小松本さんへ向かっていった。

 相談をやめた25年10月頃には、「(小松本さんの)存在を消して自分自身の人生をリセットしたい。不安やいらだちをなくし、楽になりたい」と殺害を考えるようになった。小松本さんが勤務していた飲食店を訪れたり、共通の知人らに聞き回ったりしたが、小松本さんは見つからず、12月下旬、「絶対に見つけ出してやろう」と、持っていた紛失防止タグを悪用し、居場所を特定することを思いついた。

 小松本さんの自宅を特定した31日、「この機会を逃すと堂々巡りになる」と殺害を決意した。前日には、ハンマーのほか、顔がばれないよう帽子や眼鏡も購入した。宅配業者に変装してインターホンを押し、開いた瞬間に段ボールを押しつけ、ハンマーで不意打ちした。台所に包丁があったので、とどめを刺そうと首を刺した。目は合っていないため、小松本さんは被告だとは気づいていなかったとみられる。

 逮捕後、否認や黙秘を続けた被告は法廷で後悔、謝罪の言葉も口にした。

 事件を起こした理由を問われた被告は「自分の弱さから制御できず、狂気に走ってしまった」と語る一方、「異常なことをした。取り返しのつかないことをした」とも述べた。遺族に対しては「深く反省しているとともに、申し訳なく思っている」と語った。

 次回公判は24日、検察側の論告と弁護側の最終弁論があり、結審する見通し。