【 野原 広子】ブランクあり、資格なし、40歳主婦がパート募集に「落ちまくる」本当の理由は…ハローワーク職員が教えた驚愕の回答
物価高で「お仕事探し」、主婦主夫の約7割「高まる」
物価高の影響で、「パートをしよう」と考える人が増えている。『しゅふJOB』が行ったアンケート調査で、「物価上昇を受けて、お仕事探しをする気持ちの変化はありましたか?」という問いには、約7割の主婦・主夫が「高まった」(やや、も含め)と答えている。
一方で、パートで仕事を始めるとなれば、気になるのは「扶養控除の枠」。
特に2026年の今年は税制改正で、かつて「103万円の壁」と呼ばれた年収ラインが大きく見直された。給与収入だけなら、配偶者控除の対象となるラインは103万円から123万円へ。一方、所得税がかからない年収の目安は、条件によって178万円まで引き上げられる。
ただ、諸条件などにより、社会保険への加入も義務付けられるなど、扶養範囲で働く主婦にとっては、必ずしも歓迎できるものではないかもしれない。
だが、こうした心配は仕事あってのもの。
『ママ、今日からパートに出ます! 15年ぶりの再就職』(野原広子著/KADOKAWA)の主人公・ユリコは、まだ「働く」というスタートラインにすら立てていない。
「なぜ自分は受からないのでしょう」
今、まさに再就活中の40歳の主婦ユリコは、結婚を機に退職して、家事に育児に15年間専念してきた。途中、「私だって外に出て、働きたい」と考え、子どもが幼稚園に行っている間だけでも働こうとした。けれども、家族の理解が得られず断念。
それから10年の時が経って、昼寝もすっかり板についたころ、徐々に周囲から「働け」プレッシャーを受け始める。働くべきか、働けるのか、働いてみようか……。ついにユリコは働く決意を固めるが……。そこからが厳しかった。
ハローワークで見つけた社員食堂の調理員は、13倍の競争率で、面接であえなく撃沈。近所のスーパーも面接2分で落とされた。
その後も、パン屋、児童館、食品工場、牛乳屋、クリーニング店と次々落ち続けた。
友人たちは、「年齢不問って書いてあっても、若いほう、とるよね~」「必死さが足りないのかな」などと言うが、なぜこんなにも落ち続けるのか、どうしてもわからないユリコは、ハローワークの職員に訊く。
「なぜ自分は受からないのでしょう」
ベテラン職員の答え
ベテラン職員の答えは、こうだった。
これまで、いいなと思って、応募されたところは、みんなもいいなーっと思うところだからです。
土日祝日が休みで、9~14時勤務なんて、ママたちはみ~んな行きたいんです。
これまであなたがねらっていたのは、みんなに大人気のスター、アイドル。
「昼間の4~5時間、土日休日、裏方の仕事」の条件から「土日休日」を外せば、すぐに決まりますよ。
その後、職員のいうとおり、「土日休日」を外して、勧められたところに応募してみると……。結果は即採用! となった。
けれどもユリコは、喜んでくれる家族の陰で、「他人に進路先を決められたような」不安な気持ちがぬぐいきれないのであった。
◇「これまで、いいなと思って、応募されたところは、みんなもいいなーっと思うところだからです」は、さすがプロ! ともいえる視点である。
だが、他人(ハローワーク職員)に進路を決められたような気持ちになって、モヤモヤするユリコの感覚も、ある意味正しくはあると言えるのではないか。
自分が何をやりたいのか、自分は何ができるのか。それを見極められないまま、就職を決めてしまった不安が、マイナビバイトのアンケートにあったマッチングミスが理由の、「早期退職」につながるともいえる。
とはいえ、自分が選んで受けたところはすべて不採用で、まずはやってみるしか、ないのかもしれないが……。
【第5話】スーパーは「面接2分で不採用」、パン屋も児童館も食品工場も「落ち続ける」40歳主婦が「採用」されない決定的な理由
