《まるでプロパガンダ》72億円の血税投入に疑問の声 高市首相の“政府PR動画”に杉村太蔵&東京ホテイソンが出演「子育ての未来は明るい」と語らせる思惑
この夏の間、英気を養うことができたという高市早苗首相。来年度予算が巨額に膨らむ見通しが伝えられるなか、注目されたのは高市首相が執心するSNSでの発信も含む、広報にかかわる予算だった。その額なんと70億円超。一体、血税でどんなPRを行うのかというと……。
【写真】高市首相が使用している“特殊加工”の高級SUVタイプの公用車。他、政府のPR動画で熱弁する杉村太蔵やテレビ朝日のキャスター時代の高市氏なども
『骨太の教室』と題された25分ほどの動画
「日本の挑戦を起動する!これですから!」
高市早苗首相率いる政権が今年7月に閣議決定した、経済財政運営などの指針をまとめた「骨太の方針」。政府が制作した動画のなかで、高市首相が自ら考えたというその副題を叫びながら熱弁を振るうのは、タレントの杉村太蔵(47才)。こうした政府の"広報活動"に巨額の血税が注がれることがわかると、国民からは怒りの声が相次いだ──。
9月4日、来年度予算のたたき台となる概算要求が発表され、総額が143兆円超にのぼることが大きな話題になっている。
「積極財政を掲げる高市首相は、各省庁の要求に上限を設けない投資枠を新設するなど予算編成改革を実施。要求金額は青天井に膨らみ、4年連続で過去最大を更新しました。財源はどう確保するのかと不安の声が上がっています」(政治部記者)
なかでも特に注目を浴びたのが、「内閣広報室」に今年度の10倍超となる約72億円もの予算が盛り込まれたことだ。
「内閣広報室は、首相官邸のホームページやSNSを運用するなどして、政府の方針や災害情報を国内外に伝える役目を担います。予算増は《伝わりやすい広報コンテンツの作成》のためとしていますが、かたや世間に目を向ければ、物価は上がり続け、年金や医療などの社会保障費も年々増大している。国民が困窮するなかで、政府の"宣伝費"にこんなに大金を投入する余裕があるのか、と批判が噴出しました」(前出・政治部記者)
一体、70億円超も使ってどんな広報をするつもりなのか──そうした人々の疑問に答えるかのように、概算要求公表の約1週間後、冒頭の動画が首相官邸の公式SNSで公開された。
「『骨太の教室』と題された25分ほどの動画には、人気お笑いコンビの東京ホテイソンがMCとして登場。教室を模したセットに集まった一般の老若男女と『骨太の方針』について学ぶというバラエティー番組風の内容で、杉村さんは解説役として出演していました。投資家としても知られる杉村さんは自身の投資術を紹介した著書の中で、この『骨太の方針』を参考にすべしと強調しており、その縁で抜擢されたのでしょう。
番組内ではその友人の"みのるん"として城内実経済財政担当大臣が登場し、高市政権の経済成長戦略について解説するパートも。軽いノリの編集ながら、政府が広報にしっかり本腰を入れていることがうかがい知れたのです」(前出・政治部記者)
たしかに芸能人を招いてテレビ番組かと見紛うような動画を作れば、予算がかかるのは当たり前。さらに親しみやすい動画を装いつつ、過剰な演出も施されているという。
「今回の動画内では、杉村さんが高市政権の経済政策について『これまでとまったく違う』と熱弁。東京ホテイソンも『子育ての未来は明るい』とヨイショし、見た人からは早くも《まるでプロパガンダだ》と指摘されています。多額の予算をかけて作るとなれば、むしろ反発を生みかねません。さらに"薄口政治評論家"を自称する杉村さんと若手芸人という組み合わせも《血税を使って呼ぶクラスの出演者か》とまで言われており、ウケはイマイチです」(前出・政治部記者)
実はこうした内閣広報室による発信の姿勢には、高市首相の意向も色濃く反映されているという。
「高市首相は世論調査などで、自身の物価高対策が評価されていないことをかなり気にしているといいます。さらには、マスコミがきちんと取り組みを伝えていないからだとの不信感も覚えているそう。たとえば8月14日には物価高対策について、自身のXで5回に分けて長文を投稿するなど、直接発信で成果をアピール。今後もマスコミを介さない発信を強化する考えで、『骨太~』のような動画を量産するとみられています。
実際、内閣広報室の概算要求に批判が集まった後で、財務省から政権幹部に予算を削減するかとの確認があったそうですが、官邸サイドはそれをキッパリ断ったといいます」(前出・政治部記者)
あまりに身勝手と知事会が猛反発
批判を浴び続ける一方で、ここ最近の高市首相はすこぶる機嫌がいいという。
「国会期間中は《0~3時間睡眠が常態化》と自身のSNSに投稿していたように激務に追われていましたが、閉会後は来客も少なくなり、比較的眠れているようです。余裕がないときは関西弁が口をつきピリピリとしだす高市首相ですが、近頃は周囲に自ら話しかけることも増えました。
また、昨年の総裁選頃から激やせが噂され、多忙で洋服を新調する時間もないことから、以前のものを仕立て直していた。それがここのところ傍目にも顔に生気が戻り、服も以前に近いサイズに再度直したそうです」(自民党関係者)
9月17日に行われる予定の内閣改造についても、やる気充分で取り組んだようだ。
「会食嫌いで知られる高市首相ですが、改造にあたって8月には政権の後ろ盾である麻生太郎自民党副総裁と2人で食事し、9月には現役閣僚を労う夕食会も開催。麻生氏が目をかけている小林鷹之政調会長を留任させるなど周囲に目配りしつつ、手ずから人事を差配しています」(前出・自民党関係者)
肝いりの新内閣で10月以降は臨時国会に臨む高市首相。しかし国民の関心事である物価高対策をめぐっては、混乱の火種がくすぶっている。
「来春から始まる2年間の飲食料品の消費減税について、当初は終了から約半年後の2029年秋に中低所得者向けの現金給付を行い、税率が戻るショックを和らげる予定でした。しかし政府はこの9月になって、減税終了直後の2029年春にも給付をしたいと突然主張し始めた。春は引っ越しも多く、地方自治体は多忙なシーズン。税率が戻るタイミングで支持率が下落するのを防ぎたいとの思惑ですが、あまりにも身勝手で場当たり的な施策だと、全国知事会などから猛反発を受けています。
高市首相にとって最も怖いのは、物価高対策を誤り、支持率が下落することにほかならない。SNSで必死に政策をアピールするのは、その不安の裏返しでもあるのでしょう」(前出・自民党関係者)
手のかかった広報動画が実を結ぶかは、結局は高市首相の手腕にかかっている。
※女性セブン2026年10月1・8日号
