記念撮影で整列する(左から)小久保裕紀監督、孫正義オーナー、城島健司CBO(カメラ・岩田 大補)

写真拡大

◆パ・リーグ オリックス-ソフトバンク(17日・京セラドーム大阪)

 リーグ3連覇を達成したソフトバンク・城島健司チーフベースボールオフィサー(CBO、50)がスポーツ報知の単独インタビューに応じた。2日連続で掲載する前編は、DeNA・山本祐大捕手(28)を獲得したトレードの背景や、高卒3年目で大ブレイクした前田悠伍投手(21)の育成の舞台裏を語った。(取材・構成=島尾 浩一郎)

 -福岡移転後、初のリーグ3連覇を達成した。

 「99年に(ダイエーで)初優勝した時、王監督は『連覇は100倍難しい』と言っていました。3連覇は単純計算で1万倍、難しい。小久保監督は去年、日本シリーズが終わって数分後に『新しいチームをつくるぞ。そうでないと3連覇はできない』と言いました。その言葉に対処するため、フロントもすぐ動きました」

 -5月には尾形、井上との2対1のトレードでDeNAから山本祐を獲得した。

 「去年のシーズン中から動いていた話です。キャッチャーがほしいとずっと言っていて、何人かの候補がいる中でトップは山本でした。昨年のメインだった海野はいい捕手ですけど、タイプの違う捕手がほしかった。オフェンス面も、ディフェンス面も含めてです。1年だけを考えてのことではありません。トータルでは彼が入ることが絶対にプラス。結果的にスタートから、守る方も打つ方も力を発揮してくれました」

 -トレードは難しい。

 「年間100件ぐらい模索して、成立するのは2、3件です。まだ日本はトレードに積極的ではないし、消極的なチームもあります。今回も僕からすれば、大型トレードでも何でもありません。ホークスの場合は120人の選手を抱えていて、ウチでは難しくても他球団で活躍する可能性があるなら、そこを探すのも僕らの仕事です。一番かわいそうなのは、旬の時期を逃すこと。尾形も井上も、DeNAで戦力になっています。当たり前ですよ。ウチはいい選手しか育てていませんから」

 -巨大戦力の中で前田悠が3年目で頭角を現した。

 「彼の活躍は予測はしていましたけど、うれしかったですね。フロントとコーディネーターが話をして、1年目、2年目と育成プランの中で投球数、イニング数を制限していました。順調に投げられる体力がついての今年だった。でも、例えば日本シリーズ第7戦で投げさせたくても、仮に今年の予定イニング数をオーバーしていれば、投げさせません。そうでないと、何のためにプログラムを組んでやってきたか分かりません。今年もシーズン途中でローテを飛ばしたのも、最後まで持たせるためです。前田がいいからといって投げさせすぎないのが、フロントを含めたウチの強さです」

 -補強面ではドラフト1位で指名した佐々木麟太郎の入団はかなわなかった。

 「彼が世代交代の核になると信じての指名でした。残念ながら縁がありませんでした。ドラフト1位の枠を使ってしまい、今年のチームが低迷していれば、僕の責任だったかもしれません。でも、ウチなら大丈夫という判断もありました。計算通りとは言わないですけど、現場が3連覇してくれたのは大きいです」

 -小久保監督の理解があってのこと。

 「もちろんです。小久保監督はドラフトにも入りませんし、戦力のビジョンの話はしますけど、ドラフトで誰を指名するという相談はしません。僕らが説明と報告をするだけですけど、そこは理解をしてくれています。王会長も同じスタンスですね」

 ◆城島 健司(じょうじま・けんじ)1976年6月8日、長崎県生まれ。50歳。別府大付(現・明豊)から94年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入り。2003年パ・リーグMVPなど3度のリーグV、2度の日本一に貢献。06年、日本人初のメジャー捕手としてマリナーズへFA移籍。09年オフ、阪神入り。日本代表では04年アテネ五輪銅メダル、09年WBC優勝。12年限りで現役引退。日米通算1785試合出場、打率2割8分9厘、292本塁打、1006打点。右投右打。20年からソフトバンクの会長付特別アドバイザー、25年1月、CBO就任。