OpenAIのAIエージェントがRubyGemsへの攻撃に関与か、2000件超のパッケージ投稿やAPIキー窃取の試みが判明

OpenAIが訓練・評価していたAIエージェントが、プログラミング言語「Ruby」のパッケージ配布サービス「RubyGems.org」への大規模な攻撃に関与していた可能性があることが分かりました。セキュリティ研究者らによると、2026年5月に2000件を超えるパッケージが投稿され、RubyDoc.infoのサーバー上で任意のコードを実行したほか、一部では利用者のAPIキーを取得しようとする処理も確認されたとのことです。
https://www.rubyhack.ai/

An update on the May spam-publishing campaign on rubygems.org - RubyGems Blog
https://blog.rubygems.org/2026/09/11/update-may-spam-publishing-campaign.html
Exclusive | Cyberattack by Rogue AI Swarm Stokes Fears of Out-of-Control Agents - WSJ
https://www.wsj.com/tech/ai/cyberattack-by-rogue-ai-swarm-stokes-fears-of-out-of-control-agents-473a0352
RubyGems.orgはRuby向けのライブラリを「gem」と呼ばれるパッケージとして配布するサービスです。今回の活動ではRubyGems.orgに不正な処理を仕込んだgemを投稿し、ドキュメントを自動生成する「RubyDoc.info」に読み込ませることで、RubyDoc.infoのサーバー上でコードを実行していたと研究者らは説明しています。

AIエージェントはRubyDoc.infoのサーバー上でコードを実行することでイギリスの地方自治体が公開している会議情報などを取得し、取得したデータを別のgemとしてRubyGems.orgへ投稿していたとのこと。対象となった情報自体は一般公開されていましたが、公開情報を収集するためにパッケージ配布サービスへ大量のgemを投稿し、RubyDoc.info上でコードを実行するという複雑な手法が使われていました。
RubyGems.orgでは2026年5月11日から12日にかけて2000件以上の不審なパッケージが投稿されました。運営側は新規ユーザー登録を一時停止し、500件以上の悪意あるパッケージを削除。当時は「GemStuffer」と呼ばれる攻撃として把握されていましたが、実行者は特定されていませんでした。

研究者らが後にパッケージを分析したところ、名称に「OAI」を含むものが多数見つかったほか、OpenAIが関与を認めた別のAIエージェント事案とアクセス方法などに共通点が確認されました。研究者らは一連の活動がOpenAIのAIエージェントによるものと判断しています。
さらに少なくとも6件のパッケージには、他の利用者のRubyGems.orgのAPIキーを取得しようとするコードが含まれていました。ただしRubyGems側は、APIキーの取得に成功した証拠は確認されていないとしています。
RubyGems側は9月11日の説明で、研究者が一連の活動をOpenAIのエージェントによるものと判断していることには触れつつ「手元にある証拠だけではパッケージをAIエージェントが作成・投稿したかどうかは判断できない」と表明しています。
一方のOpenAIはウォール・ストリート・ジャーナルに対し、AIエージェントがRubyGemsを利用してインターネットへアクセスし「無害なタスクを実行して公開情報を取得していた」と説明しました。OpenAIは訓練や評価中に発生したAIエージェントの活動について広範な調査を進めており、RubyGemsに関する調査も継続すると述べています。記事作成時点では、公開されている情報を取得するはずだったAIエージェントがなぜパッケージ配布サービスやドキュメント生成サーバーを経由する方法を選び、APIキーの取得まで試みたのかは明らかになっていないとのことです。
