「鉄欠乏性貧血」とは?症状・原因についても解説!

野菜の摂取目安量は?メディカルドック監修管理栄養士が摂取量の目安・栄養素・健康効果・保存方法について解説します。

この記事のまとめ

・1日に必要とされる野菜の摂取目標量は約350g以上とされているが、日本人の平均摂取量は約260gにとどまり、目標量に届いていない現状がある。

・世界と比較すると、中国(約700~760g)やギリシャ(約650g)、韓国(約550~580g)など日本より摂取量が多い国もあり、諸外国の目標量は300g~500gとする国が多く日本は標準的といえる。

・野菜にはビタミン類、カルシウム、鉄、カリウム、食物繊維などが含まれ、抗酸化作用や骨の健康維持、血圧の調整、腸内環境を整えるなど様々な健康効果が期待できる。

・野菜の摂取量を増やすには、一般的な野菜料理1皿(約70g)を1日5~6皿程度食べることを目安にし、加熱してかさを減らす、すぐ食べられる野菜を常備するなどの工夫が役立つ。

監修管理栄養士:
神尾 澄恵(管理栄養士)

病院、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホームにて15年にわたり給食管理業務に従事。管理栄養士取得後は病院で栄養管理業務に従事。栄養指導、特定検診保健指導、他NST、褥瘡回診など幅広く活躍中。東京都糖尿病療養指導士取得。患者さん、入居者さんが楽しめる食事提供を心がけています。

野菜とは?

野菜とは栽培されている食用植物で、一年生の草本(そうほん)作物です。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、「野菜類」として食品群別に収載されている食品数は413種類です。スーパーの生鮮売り場では芋類、種実類、きのこ類、海藻類なども野菜として扱われている店舗もありますが、今回は野菜類とは区別しています。
野菜は、統計上の区分や植物学上の分類など、目的によって分類方法が異なります。農林水産省の作況調査では、根菜類、葉茎菜類、果菜類、香辛野菜、果実的野菜に区分しています。葉茎菜類にはキャベツ、ねぎ、ブロッコリー、ほうれん草など、果菜類にはきゅうり、トマト、なす、ピーマンなど、根菜類にはごぼう、大根、にんじんなどが含まれます。なお、この区分の根菜類には、根を食べる野菜だけでなく、地下茎などを食べるじゃがいもやれんこんも含まれます。

野菜の摂取量の目標量と目安量

1日に必要とされる野菜の摂取目標量は?

厚生労働省の策定した健康日本21(第三次)では、野菜類は、ビタミンやミネラル、食物繊維を含むため、野菜類を摂取することで、生活習慣病の予防が期待されます。その目標量として、1日約350g以上を摂取して、健康的な習慣を身につけましょうと掲げています。

1日に必要とされる野菜の目安はどのくらい

一般的な野菜料理1皿には、約70gの野菜が含まれると換算されています。1食に1皿以上、1日では5~6皿程度を目安にすると、1日350gの目標に近づけやすくなります。

野菜の摂取量は手のひらなどで測定できる?

野菜の量は手のひらでおおよその量を測定することができます。自身の「片手1杯」に乗る野菜の量を約60g(生の状態での換算)として、1日6杯分を目指す「手ばかり法」というのもあります。複数の研究や調査で報告がみられました。手の大きさは個人によって異なるため、手の大きい人は多く乗ってしまうのではないかと思われがちですが、計測された野菜の重さに統計的な差は少なかったそうです。この方法を用いると、自分で摂取量をセルフモニタリングできる点がメリットです。しかし、スープ、カレーなどの加熱料理や他の具と混ざった料理では、目視のしにくさから実際より摂れていると過大評価してしまうこともあるようです。正確に測りたいと考えている方には、デメリットに感じるかもしれません。

日本人の野菜摂取量の現状とは

日本人の野菜摂取量はどのくらい?

令和6年国民健康・栄養調査では、日本人の野菜摂取量は平均値(20歳以上)258.7g(約260g)であり、男女別にみると、男性268.6g、女性250.3gであり、年齢階級が高い層で摂取量が多いという結果がみられました。

世界と比べた日本人の野菜摂取量は?

世界と比較すると日本の野菜摂取量はどのくらいなのでしょうか。ある資料によりますと、摂取目標量が高い国は、ハンガリーの1日850g、ポルトガル1日725g、ギリシャ1日700gとなっています。実際の摂取量は、中国1日約700~760g、ギリシャ1日約650g、韓国1日約550~580gという報告がありました。中国の「医食同源」の考え方、ギリシャの地中海食で、煮込み料理やサラダを食べる習慣、韓国ではナムルや包み野菜など野菜類を食べる習慣が根付いていることが摂取量の背景として考えられます。諸外国の目標量は300g~500gとする国が多く、日本は標準的といえそうです。しかし、実際の摂取量は男女平均で約260gですので、意識的に摂取量を増やしたいところです。

野菜に含まれる栄養素

ビタミン類

ビタミンは、体内でほとんど合成できないにもかかわらず、正常な生理機能の維持に不可欠な微量の有機化合物であり、食事からの摂取が必要な栄養素です。現在、13種類の化合物がビタミンとされています。ビタミンは水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC)と脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)に分類されます。野菜類に多く含まれている栄養素としては、葉酸・ビタミンC・ビタミンA・ビタミンE・ビタミンKがあげられます。

カルシウム

カルシウムは、成人の体内に約1kg含まれています。ほとんどがリン酸カルシウムという形で骨や歯に含まれています。残りのカルシウムはカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経に存在し、出血を防ぐ働きをサポートするほかに、筋肉の収縮や神経の興奮にも関与しています。骨の代謝にも関わる物質です。野菜類では、意外と思うかもしれませんが、小松菜、モロヘイヤ、水菜、切干大根などに含まれています。

成人の体内には、約3~4gの鉄が存在しています。そのうちの約70%は、赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンの構成要素として存在します。残りは肝臓や骨髄などに貯蔵鉄として存在します。鉄は毎日ごくわずかずつ排出されるものの、大部分は再利用され、効率的に保存されます。体内の鉄が不足すると、全身へ酸素の供給が減り、疲れやすくなることがあります。小松菜では可食部100gあたり2.8㎎、ほうれん草では、2.0㎎と野菜類の中では比較的多く含まれています。また、ビタミンCや動物性食品と一緒に食べると、鉄の吸収が高まります。

カリウム

カリウムは、人体に必要なミネラルの一種です。体液の浸透圧の調整をおこなっています。日本人の主なカリウム摂取源の約20%程度が野菜類から摂取されています。体内の酸性・アルカリ性のバランスの調整、神経や筋肉の興奮伝達にも関わっています。日本人の食事摂取基準では、生活習慣病の予防を目的としたカリウム摂取の目標量は、18歳以上の男性で3000㎎/日以上、女性で2600㎎/日以上と設定されていますが、男女ともに目標値を下回っている状況です。カリウムにはナトリウムの排出を促す作用があり、血圧低下につながることが知られています。しかし、腎機能が低下している方は、カリウムの摂取制限が必要な場合があるため、医師の指示に従うようにしましょう。

食物繊維

食物繊維は、炭水化物に含まれる成分ですが、たんぱく質、脂質、糖質とは異なり、人の小腸では消化されず、大腸まで達する栄養素です。食物繊維の摂取により、おなかの調子を整える働きがあります。食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶けて腸内環境を整える水溶性食物繊維に分類されます。食物繊維は、野菜類の他に穀類、いも類、豆類、きのこ類、果実類、海藻類にも含まれます。

野菜の健康効果

抗酸化機能

ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、骨や腱などのコラーゲンの生成に必須な栄養素です。不足すると、コラーゲンが充分に生成されないために、血管がもろくなり出血を起こしやすくなります。ビタミンCは、皮膚のメラニンの沈着や、紫外線による日焼けのあとの肌を健やかに保つのをサポートする作用や、ストレスや風邪などに対し、抵抗力を高める働きがあります。普段の食生活では不足の心配は少ないです。しかし、近年は野菜の摂取量が減少しており、野菜ジュースやサプリメント等で摂取されることがあります。サプリメントで摂取する場合には適量を守るようにしましょう。
ビタミンCが含まれる主な野菜類は、芽キャベツ、ブロッコリー、さやえんどうなどです。

骨の健康維持

カルシウムは主に小腸で吸収されます。腸管での吸収、血液から骨への沈着、骨から血液への溶出、尿中への排泄の抑制などが制御され、血液中のカルシウム濃度は一定に保たれています。カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞の分裂や筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進にも関与しています。
カルシウムを含む主な野菜類は、パセリ、モロヘイヤ、しそ、小松菜などです。

鉄の摂取に役立つ

体内の鉄は、生理的な役割の機能鉄と、鉄を貯蔵・運搬する貯蔵鉄に分類されます。貯蔵鉄のフェリチンは鉄の栄養状態を反映する指標です。食品中に含まれる鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分けられます。野菜類に多い鉄は非ヘム鉄とよばれます。非ヘム鉄はそのままの形では吸収されず、還元されたあと吸収されます。吸収された鉄分は血液とともに体内に運ばれます。運ばれた鉄はヘモグロビンとなって酸素の輸送に関与し、ミオグロビンの構成成分になります。肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵されます。赤血球の鉄分が不足すると、この貯蔵鉄が使われます。
鉄分が含まれる主な野菜類は、大根の葉、小松菜、かぶの葉、ほうれん草などです。

血圧の調整

野菜類に含まれるカリウムは、小腸で吸収され全身に運ばれたあと、腎臓で排出されます。カリウムの量は腎臓で再吸収の調節によって維持されており、血中カリウム濃度は一定に保たれています。カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節などの働きをしています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を調整する働きがあります。カリウムが含まれる主な野菜類は、ほうれん草、枝豆、にら、小松菜などです。

食物繊維の摂取に役立つ

食物繊維は「ヒトの消化酵素で消化できない難消化性炭水化物」と定義されています。水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維に分類されます。水溶性食物繊維は小腸で栄養素の吸収の速度を穏やかにして、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、コレステロールを吸着し排出することで、血中コレステロール値の低下も期待されます。他にもナトリウムを排出する働きもありますので、さまざまな生活習慣病予防が期待されます。不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のかさを増やします。排便をスムーズにして腸内環境を整えてくれます。食物繊維を多く含む主な野菜類では、切干大根、しそ、ごぼう、ブロッコリー、モロヘイヤなどです。

野菜を食べる時の注意点

鮮度の良いものを選ぶ

生野菜を食べる際には、新鮮で傷んでいないものを選ぶようにしましょう。一緒に購入した肉や魚の汁が野菜につかないよう、ポリ袋にいれる、買い物から帰ったらすぐに冷蔵庫に入れるなど保管方法にも注意しましょう。

清潔な調理器具・水を使用する

野菜に触れる前には、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。包丁やまな板は清潔なものを使いましょう。調理や、食べる前には、飲み水に適した流水でしっかり洗いましょう。

カットしたら早めに食べる

野菜は、カットすると切り口で細菌が増えやすくなります。早めに食べるようにしましょう。すぐに食べないときは清潔なお皿や容器に入れ、冷蔵庫で保管しましょう。

野菜の栄養素を効率的に摂取する方法

加熱してかさを減らす

野菜は「かさ」が多いため、満足感を得やすいという特徴があります。一方で、量が多く食べにくいと感じることもあるかもしれません。茹でる・蒸す・レンジで加熱することで、「かさ」が減り、一度に多くの野菜を食べやすくなります。

汁も一緒に食べる

水溶性ビタミンが含まれる野菜類は、加熱によって栄養素がゆで汁に溶け出しやすいです。スープや鍋など、野菜を茹でた汁ごと食べると溶け出したビタミン類も摂取しやすくなります。食べる際には、塩分の摂りすぎには気を付けましょう。塩分を多く含む調味料の使いすぎは、塩分の過剰摂取につながることがあります。汁ごと食べる料理を作る際には、香辛料や食塩相当量の少ないものを選ぶようにしましょう。

すぐ食べられる野菜を常備しておく

時間がなく、野菜を調理する時間がない時には、洗うだけで食べられる野菜を常備すると簡単に摂取できます。カット済みのサラダ、プチトマト、流水解凍するだけの冷凍枝豆。また、前の食事で多めに準備して食べきれなかった総菜などあれば、短時間でも準備して食べることができます。冷凍野菜は急速冷凍されるため、栄養価が保持されている場合もあります。価格が高騰しているとき、単身で生野菜を購入しても使い切れないときなどにおすすめです。

「野菜の摂取量」についてよくある質問

ここまで野菜について紹介しました。ここでは「野菜の摂取量」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。

1日に摂るべき野菜の量の目安はどのくらいでしょうか?

神尾 澄恵(管理栄養士)

1日に摂りたい目安量としては、厚生労働省の掲げている、1日約350g以上をひとつの目安としてみましょう。
毎食計測するのは難しいため、目安として、手で計量する場合には、片手1杯分が約60gという目安がありますので、片手6杯分から7杯分以上摂取できているかを確認してみる方法もあります。

野菜の1日の目標量を効率的に摂取する方法はありますか?

神尾 澄恵(管理栄養士)

野菜を多く摂取するには量がかさみます。
効率よく摂取するには、生よりも茹でる・蒸す・レンジで加熱するなどかさを減らして量を多く摂取したり、煮物などで汁ごと食べる、常備してすぐ食べられる野菜を買い置きしておくことで、効率よく摂取することができます。

編集部まとめ

野菜類は、一年中摂取できる食べ物です。世界の基準としては摂取目標量は標準的ですが、日本の実際の摂取量は平均値より少なめであるため、より意識的な摂取が望まれます。目安としましては、1日約350g以上が推奨されています。野菜を含む料理は約70g程度含まれていると換算すると5皿~6皿程度の摂取を目安にしてみましょう。摂取することで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取が増え、生活習慣病を予防できる効果が期待されます。とはいえ、毎食食卓に準備するのは難しい場合がありますので、冷凍野菜や、調理しなくても摂取できるプチトマトなどを利用すると、効率よく摂取できます。普段の食生活の中で、不足しているなと感じた場合には、ご自身の生活スタイルに合わせた摂取方法をみつけ、まずはプラス1皿分増やしてみることを目指しましょう。

「野菜」と関連する病気

「野菜」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系

高血圧症

動脈硬化症

鉄欠乏性貧血

「野菜」と関連する症状

「野菜」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

疲れやすい便秘ストレス

参考文献

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年|文部科学省

野菜の区分について教えてください。|農林水産省

令和6年国民健康・栄養調査結果公表|厚生労働省

e-ヘルスネット(厚生労働省)|生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット)|健康日本21アクション支援システム

Japanese Journal of Health Education and Promotion 31(4): 191-200 (2023)

栄養素|健康長寿ネット

生野菜を安全でおいしく食べるために|農林水産省

野菜の栄養一覧|主要52種の成分・効果・食べ方を解説