@AUTOCAR

写真拡大 (全4枚)

ボディデザインに現れる720Sからの進化

マクラーレン720Sからの進化も、確実にこのボディデザインには現れている。『アイソケット』と呼ばれるヘッドライトと一体化されたフロントのエアインテークは720Sよりも細く、しかしながらより高効率な造形となり、リアデッキもさらに延長。

【画像】圧巻の加速に、卓越したマンマシンの一体感!スーパーカー超王激推しの『マクラーレン750S』 全90枚

ボディ後端に備わるカーボンファイバー製のアクティブリアウイングもより高く、そして長いデザインへと改められた。参考までにその表面積は720S比では20%の拡大となるが、重量は1.6kgが低減されている。


アイソケットと呼ばれるヘッドライトと一体化されたフロントのエアインテークは720Sよりも細い。    佐藤亮太

超高速域で750Sシリーズのボディがいかに優秀なエアロダイナミクスを実現しているかは、以前にクーペモデルをサーキットで試乗した時にそれを十分に確認している。

ハイスピードでのコーナリング時に感じる素晴らしい安定感に感動したのは、今でも心に強く残る鮮明な記憶だが、その印象は今回ドライブした軽量なカーボンファイバーストラクチャーによるリトラクタブルハードトップを持つスパイダーでも、変わることはないだろう。

ちなみに今回ドライブできた750Sスパイダーは、鮮やかなマクラーレン・オレンジのボディカラーに、フードエアインテーク、ドアミラー、サイドエアインテーク、リアフェンダーエアインテークから構成されるオプションのカーボンファイバーパックを装備。

さらにフロントフードのセンターにも同じくオプションのグロスビジュアルカーボンファイバーがあしらわれた、実に刺激的なエクステリアのフィニッシュが与えられたモデルだった。

スーパーカーという言葉からは想像できないラグジュアリー性

750Sスパイダーとの生活。そのファーストデイは、主にトラフィックの多い都心のストリートと、自宅のある郊外の街へと向かう高速道路を、軽く流す程度のドライブに終始することになった。

ここで感じたのは、およそスーパーカーという言葉からは想像できないほどのラグジュアリー性、そして操作性の高さ。このモデルの基本構造体となるのは、『モノケージII』と呼ばれる、軽量かつ高剛性なカーボン製のモノコックタブだ。


パワートレーンとシャシーのモードセレクタースイッチは750Sからメーター左右に移動。    佐藤亮太

その剛性感、そして前後に備わるマクラーレン独自の油圧リンク式サスペンション、『プロアクティブシャシーコントロール』のスムーズな動きとの相乗効果で、低速域でもしなやかで高級感のある乗り心地が演出されている。

720Sから750Sへとアップデートされた時に、メーターパネルのピナクル上にレイアウトが変更された、パワートレーンとシャシーのモードセレクタースイッチでは、いずれも『コンフォート』、『スポーツ』、『トラック』という3タイプのモードを各々で選択することが可能だ。

初日に自宅までの帰り道で選んだのは、ほとんどの時間でコンフォート。さらにリトラクタブルハードトップをオープンすることもなかったから、エンジンからのサウンドと振動がシート背後から伝わるほかは、あたかも高級なサルーンに乗っているかのような感覚でドライブを楽しむことができたのが印象的だった。

正確無比なステアリングの動きを見せるコーナリング

翌日からは、幸運にも取材へと向かうための足として、高速道路やワインディングロードを750Sスパイダーで駆け巡る日々が続いた。

このモデルが最も魅力的なフィーリングを伝えてくるのは、やはりワインディングロードでの走りだ。モードセレクタースイッチでいずれもスポーツを選ぶと、アクセルレスポンスや、V型8気筒エンジンに組み合わされる7速SSG(デュアルクラッチ式ミッション)の動きは明らかに鋭さを増し、さらにシフトの制御もより積極的に高回転域を使用するように変化。


1週間に渡るテストドライブを行ったスーパーカー超王こと山崎元裕。    佐藤亮太

最高出力値となる750psが発揮される7500rpmまでスムーズな、そして刺激的な回転とパワーの盛り上がりを味わうことができた。さらに付け加えるのならば、マクラーレンは750Sへのアップデート時に、7速SSGのギアレシオをさらに最適化するとともに新たなキックダウン制御を導入している。このミッションの進化もまた見逃してはならないこのモデルの美点だ。

乾燥重量で1326kgという750Sスパイダーが実現する加速感は、さすがに圧巻だ。さらにコーナリング時は正確無比なステアリングの動きを見せ、サスペンションはコンフォートモードと比較すれば十分に引き締まった印象を伝えてくる。

そしてこれもまた常に絶対的な安心感とナチュラルなタッチに終始する、カーボンセラミックディスクと鍛造アルミニウム製キャリパーの組み合わせによるブレーキシステムの恩恵で、ドライバーはスーパーカーの中でも卓越したと断言してもよいマンマシンの一体感、そしてそれこそが可能にするコントロール性の高さに圧倒されることになる。

*マクラーレン750Sスパイダーとのラストラン(後編)に続きます。